魔王軍である強さの証明 ①
パズルを解き終えたことによる解放感がある。
それと同時になにか消失感を感じていた。ああいうパズルやったせいかなんか普通にやる気がない。やる気が出ない。
だがしかし。そういうときに限ってピンチや災難が来るものだ。過去からの教訓だ。
「た、大変だ! パンドラ! まずい事態だ」
「パンドラァ! 緊急事態よ!」
と、ワグマとビャクロが部屋に入ってくる。
ほら来た。やっぱり来た。
「どしたの……」
「反乱軍が攻めてきた!」
「反乱軍、ね」
城の外を見てみると、武装した集団がこちらに攻めてきている。
まあ、いつかは反乱でもされると思っていた。きっと内心では裏切って自分が魔王の座に就こうと考えている人もいるだろうし、それに、東西南北に恨みを買っている人がたくさんいるからね。
組織というのもは裏切りがないわけじゃない。反乱がないわけじゃない。トップのやり方に気に食わない人だっているだろう。
「そんなこと許す私でもないけれど。鎮圧に行こうか」
「レブルとユウナは既に待機済み、こちら側の兵士は既に防衛に出てるけど、数が多すぎるわ」
「ルフラン神聖王国との戦争を思い出すなぁ」
「ああ、そのプレイヤーもいるみたいよ。あと、廃嫡されたオールランド王国の王子とか、ニホンの宰相とか。パンドラが恨みを買った人は全員いると見たわ」
「ふぅん」
私が恨みを買ったNPCは全員いるとなるとすごいな。
誰か貴族がこれを手引きしていると考えてもいい。もしくは王国の地下牢を知りえている人。あの王が一番怪しいだろう。
あの王ならなんとかして解放された後必死にこうやって反乱を起こしても違和感はない。
「ビャクロ、今日の調子は?」
「なんとあいにく絶好調だ。負ける気がしない」
「ワグマは?」
「コンディションはなかなかいいほうよ」
「そう」
ビャクロの戦闘スキルは群を抜いている。廃ゲーマーくらいじゃないと勝てそうにはないだろう。そんなぐらいにはビャクロは化け物だ。
絶好調ともなると、快進撃が続くだろう。
「カイハは何してる?」
「機械作って引きこもってるわ」
まあ、もともとそういう話だからな。
死にたくはないだろうし、カイハはそのまま部屋でいいだろう。もともと、あそこは外部に連絡を入れるなら外に出なくちゃダメだし。
それに、外に出る可能性は少ない。
「それにしてもこんな数の雁首をぶら下げてくるたぁ相当人望があるんだね」
「みたいね」
「魔王軍は何人残ってる?」
「結構残ってるわ。数人のプレイヤーの姿が見えないとなると裏切ったとみていい。賢者たちは全員こっち側。エリザベスなんかは人間の不信感がまた出たらしいわ」
「ふぅん」
ワグマは大剣を手にする。
「ま、ごちゃごちゃ話してるときも相手は来てる。殲滅に行くか?」
「もちろん」
「ここまでやられたんだ。ちゃんと相手しなくちゃね。ああ、全員殺していいよ。NPCも何も関係なく、ね」
私はそう不敵に笑う。
私たちは魔王軍だ。そんなのに怯えているほど弱くない。魔王は強くなくちゃいけないのだ。




