装備がほしいなぁ
魔王城での私の生活は本を読む、寝る、鍛えるぐらいしかない。
人間国にも動きはないしじっとしているの飽きてきたので馬車に乗り、王都にまで向かっていった。ガタゴト揺れる馬車の中。
「よく魔王領通りますね。魔王怖くないんですか?」
「あそこが最短ルートなんだ。遠回りしていたら私みたいな弱小商人の財力ではすぐに力尽きてしまってね。怖いけどあそこ通るしかないんだ」
「そうなんですか。大変ですね」
御者を務めている商人さんと話をしながら向かっていった。
「それにしても嬢ちゃんなんで魔王領なんかに?」
「あー、魔王領……じゃなくてその前の街に住んでたんですけど、忘れ物をして……」
「取り返しに? 無茶なことしちゃダメだよ」
「はーい」
適当に理由をつけておく。
そして、王都が見えてきた。王都の中に入ると、たくさんのプレイヤーの姿が見える。すっごいな。改めてみるとプレイしている人たち結構いるんだなと思う。
まぁ、王都に来たのはプレイヤー観察ではない。ある目的のためだ。
「装備欲しいなぁ」
装備欲しさだ。
だがしかし、お金がないため冒険者ギルドでまず稼ぐことにする。冒険者ギルドに行くと、さすが王都というべきかプレイヤーもそこそこいるし、NPCも多い。
そんな有象無象を気にせず、掲示板までまっしぐらに向かった。
今の冒険者ランクはEだ。受けられる依頼も制限がある。
だが、高ランクのクエストを受けたい。どうしたらいいのか。
「すいませーん! 私をパーティにいれてくれませんか!」
近くにいた冒険者パーティに声をかける。
プレイヤーだった。だがしかし、その顔はというと。
「って、甲地君!?」
「へ? あ、もしかしてパン子さん?」
なんと甲地君だった……。
なんという偶然だろうか。甲地君と女性の人と男性の三人パーティらしい。え、まじで。こんな偶然あるの?
「というわけで、お金が欲しいの」
「そうか。なら、入れるぞ」
頼んだらすぐ入れてくれた。
魔王云々は伏せておいたけどね。いずれバレるだろうけど。
「俺たちこう見えてもBまでいったからな」
「え? 早くない?」
「毎日コツコツ依頼を進めていったらこうなった」
「好きなことには全力で打ち込むタイプだからねぇタケは」
甲地君のプレイヤーネームはタケミカヅチ。あの神様からとったんだろう。武宮 甲地と語感も似てなくはないし自分の名前に似せた結果だろうけど。
それにしても三日でBとは才能あるな……。勇者にでもなるつもりか。
「で、今日の依頼はこれだ」
と、出してきたのは。
魔王領の探索……ということだ。魔王城に忍び込み、内部の情報を手に入れてこいという国の依頼だった。最低Cランクと書いてある。
へぇ……。冒険者も使ってそんなに魔王領を潰したいんだ。
思わぬところで情報を得てしまった。




