クジラに捕らえられた!
私は引き続き水中を探索していた。
なかにはボンベつけている人もいた。そういや水中ポンプというものがあるんだよな。それを買えば少しは呼吸できるようになるのか。
だがしかし、そんな弱みを見せて大丈夫か? 私はそのボンベ持った人に近づき、ボンベを攻撃して破壊する。驚いたようにボンベを見て、一気に水上に上がっていくのだった。
妨害っと。
そんな感じでプレイヤーたちのボンベを破壊していると。
目の前にどでかい……それはもうでかいクジラが現れたのだった。クジラは一気に吸い込んでいき、私を含む他のプレイヤーたちを吸い込んでいく。
あ、ああ、食われるの? まじで?
そして、クジラは口を閉じたのだった。
水中ではなくなり、みんなボンベを背から外している。
「てめえ!よくもやりやがったな!」
「ちっ、ビャクロたち逃がしちゃったもんな」
一気に恨みを買っていたのか、みんな私を睨んでくる。
害悪プレイしたのは事実だ。だがしかし、この程度逃げれない私じゃないのだ。
「ま、まあそのへんで! パンドラさんも反省しておりますし!」
誰かがそういうと、みんな怯えたように私を見る。
そして、ずざざっと後ずさったのだった。なんだよ失礼なと思い睨むが、みんな怯えている。私の悪名は結構広まっているらしい。
魔王軍には喧嘩を売らないほうがいいとみんなが認識しているのか、私を無視し始めたのだった。
「助かりました。ミキ先生」
「まったく……。恨み買うことをするから……って気づいてたの?」
「私の名前を知ってる人がミキ先生ぐらいだったので」
ミキ先生もどうやらイベントに参加していたらしい。
ミキ先生の背後には女性三人が立っていた。一人はチリリンさんだけれど、二人はどこかで見たことあるな程度だった。
「えっと、ソゥ様とマアヤ」
「キャンプで一緒だった子の一人だね。あの時は急遽仕事入って急にいなくなったけど今日は思う存分できるよ。改めまして。現実ではテレビで見たことあると思うよ」
「私そういうの疎いんで……。基本アニメですし」
「そっかぁ。生出 真野っていいます」
「あ、ああ」
あの真野ちゃん。
たしかにキャンプでいたな。私自身あまり知らないけど有名な女優ってことは知ってる。スタイルも抜群にいいし普通にすごいと思う。
で、隣の女性はクールだなーって思う。
「マアヤ。ミキから話は聞いてるよ。天才なんだって?」
「そう、ですかね?」
「過ぎた謙遜は嫌味だからね。嫉妬は別にしないけど」
「パンドラです。よろしくです」
「こちらこそ。……で、どうすんの? ミキ」
「どうするって……。飲み込まれたんだからでなきゃいけないんだけど……」
ミキ先生は辺りを見渡す。
このデカいクジラに飲み込まれて地平線が見えるってなかなかないぞ。ここまでビッグサイズだと逆に躱しようがないっていうか。
「とりあえず探索してみるしかないね。パンドラさんも一緒に来る?」
「まあ、一人なんで一緒に行きますよ」
「ありがと。助かるよ。なんていうか、パンドラさんには助けられてばかりだね。この前といい」
「あれ結局大目玉食らったんですか?」
「食らう直前だったけど君も私も背後に……その、阿久津家がいるからさ」
「お咎めナシ…と。権力こえー!」
阿久津家のパワーがどれだけすごいんだって言う話だけれどね。
たしかにこの進学校にもたくさんの寄付してそれなりに設備も整えられてるし今更打ち切られるわけにもいかないだろうしねー。あまり阿久津家に迷惑とか嫌な気分はさせたくないんだな。
持つべきものは金持ちと権力を持った友達だね。
「生徒を夜の学校に連れてっておとがめなしって相当権力あるなぁ……。あの月乃って子」
「へぇ。友達?」
「親友」
「そ。親友といえる人がいるんだ。いいことだよ」
と、淡々と述べていた。
クールさがかっこいい気がする。




