子守りをしてくれるかしら?
昨日は疲れて帰ってきて、そのまま寝てしまった。
私は次の日、ゲームにログインする。昨日はゲームに一切ログインできなかった。
ログインすると外がすごい吹雪いていた。目の前が見えない。俗にいうホワイトアウトっていうやつだろう。外が見えないほどに吹雪いているので今日は外じゃなくて中で生産的なことをしようかなと考えていると、司書室の扉が開かれる。
「パンドラさん! 大変です!」
と、ユウナが司書室の扉を勢いよく開ける。
こういう大変と駆け付けてくるパターンはほとんどろくでもないことなので気が乗らない。勇者が訪れてきたとかそういうのがあったからな……。
私は怪訝な顔をすると、ユウナが私が座っている椅子を引っ張って連れていくのだった。こいつわかってやがる。
私は謁見の間までついていくと、そこには着物を着た女性がたたずんでいた。
「おや、あなたが偉い方でしょうか」
「まあ、一番偉いってわけじゃないけどそれなりの地位にはいるね」
「はぁ。まあ、あなたでもいいでしょう」
と、その白い髪の女性が私のほうを向いた。
「ちょっと私の娘を預かってくれないかしら」
「は?」
「ちょっと娘の力が強すぎて制御できないのよ。そのせいでちょっとやらかして今から謝りに行くんだけど娘がいると余計に悪化させちゃうからその間預かっていて欲しいのよね」
「はあ」
女性はため息をついた。
「私の娘は自慢じゃないけど結構力が強いのよ。だからそれなりに強い人じゃないとダメなのよね」
「はあ……」
「お願いできないかしら」
「別に子守りくらいならいいんですけど……」
「そう。ありがとう。無事子守りしてくれたら私の力をいつでも貸すわ。ああ、紹介が遅れていたわね。私は雪の大精霊のスノウよ」
大精霊……。またすごい人が来たな。と考えていると頭にある考えが浮かぶ。
「もしかして外の吹雪って」
「娘が癇癪を起して力が暴走してるのよ」
「ええ……。で、その娘さんは」
「外で遊んでるわ」
厄介な案件持ち込みやがって。
私はなぜか子供に好かれる体質なんだけど、あまり好きじゃねーんだぞ。というか、そんな厄介な力を持つやつの子守りとか絶対に疲れるだけじゃん……。
やりたくねえ……。
「あなた私を見て失神しないって言うのを見ると強いほうなのね。力がないと私を見ただけで失神してしまうから」
と、周りを見ると気絶状態のプレイヤーとかがたくさんいる。
ユウナ、レブルは平気なようで、カイハとかも失神しているようだった。レブルはチート勇者だからわかるけどユウナも結構な高レベルなようで……。
「娘も同じで力ない人が見ると気絶するから注意して頂戴。で、頼めるかしら」
「断るっていったら?」
「そうねえ。戦争?」
「喜んでやらせていただきます……」
「戦争は冗談よ」
「冗談って言うなら顔の表情を動かしてほしいんですけど……」
真顔で冗談を言わないで欲しい。
「今娘を呼ぶわね」
「え、あ、遊ばせていても……」
「娘よ、来なさい」
と、雪が集まって人の形が形成される。
「おかーさま呼びました?」
「今から私出かけるから。ちょーっとだけこのお姉さんと過ごしていてね」
「はーい!」
「決して迷惑かけちゃダメよ」
「わかってるー!」
「ほんとにわかってるのかしら……。じゃ、頼むわね」
と、そのスノウさんは消えていく。
娘さんが残された。




