麻薬商売人
私はある街を訪れていた。
ニホン国のある場所にあるスラム街。異臭が放たれている。実はというとレオンの頼みであった。どうやらニホンで薬物が流行っているらしい。それをやめさせるべく出どころの調査…ということだった。
で、薬物を使用している人はある男性からもらったといい、その男性を捕まえるとスラムの商人のところでもらったといっていた。
なのでスラムに来たわけだが。
「あまりいいところではないな」
商人がいると噂される館についた。
つぎはぎの屋敷で、木材とか薄い鉄板とかがつぎはぎされながら壁や屋根となっていた。フランケンシュタインの家バージョンって感じがする。
私はコンコンとノックをする。すると、合言葉は?と聞かれたので「フラワーのシュシュ」と答えると扉が開かれる。
「おやおや。誰の紹介で参りまひた?」
「エドモンドっていう人だよ。私にも薬物売ってくれるんだよね?」
「もちろんでひゅとも。ささ、中に中に」
と薄汚く口足らずな男が私を中に連れていく。
私は椅子に座らされ、お茶を出されたのだった。この紅茶は茶色いが……。なんか嫌な予感がする。飲みたくはないな。
「どの種類にいたしまひょ? ペペイン、ヘロニン、ソーサリーマッシュルーム等々いろんな品ぞろえがありまひてね」
「それが自慢なんだね?」
「はいはい。それが自慢でひゅ。うち以上に品ぞろえがいいところありまひぇんよ」
「品ぞろえがいい理由が気になるなー。自家製なの?」
「自家製でひゅ! お客様を気持ちよーくひゃへてくれまひゅよぉ」
出どころと栽培どころを調べてこいと言われて、それとなく探りを入れてみたけれどこうも白状してくれるとは。
「栽培してるところみたいです。ダメですかね?」
「企業秘密なんでひゅけどねぇ」
「私もいちおう自分で栽培して新たな品種とか作ってるんでもっと気持ちよくなれるの作れるかもなぁ」
「おお! 同業者の方でひたか! 意見を聞かせてもらえると嬉しいでひゅ! 栽培は地下でやってるんでひゅよ!」
と、地下通路を開けて、私は男についていった。
順調にいきすぎている。それが怖いのでちょっと用心でもしておこう。演技力には自信があるがばれないというわけでもないからだ。
麻薬なんて一切かかわったことないし。
「ここが栽培どころでひゅよ!」
「ほぉ……」
くせになる香りがする。
やばい。これはまずい。ここにいるだけで麻薬の作用が……! これゲーム的に大丈夫なのか?と思うが実際のものとは大きく異なるらしい。それでも依存性はないわけじゃないので万人向けのゲームではないな。実際子供は受けれなさそうだし、私みたいな気持ちがしっかりとしてる人じゃないと無理そうだ。
「香りが強烈ですね」
「それが問題点なんでひゅ。香りを抑えることができたらなぁ」
「香りがない花と交らわせてみればどうでしょう」
「それも考えたんでひゅけどどうも依存性がなくなってしまうみたいで」
「そうですか? なら」
私は思いっきり水の塊をぶつけた。
麻薬は散っていく。それを見た商人は顔を赤くさせて私のほうを向いてきたのだった。
「なにするんでひゅ……!?」
私は男の首を掴む。
仲間はいないと見た。どうにも複数人いる痕跡が見えなかったからだ。じょうろが一つ、つなぎも一つ……。奥に部屋はなく隠れられるスペースもない。
仲間がいないとみていいだろう。
「ちょーっとやりすぎたよね。ニホンが麻薬ブームになってるんだよ」
「そ、それの何が悪いんでひゅ!」
「悪くないんだけど、こういうもんって依存しちゃうでしょ? モラル的にダメだと思うんですよ」
私は力を込める。
「く、くるひっ……」
「麻薬って言うのは人を壊すらしいからね。依存してしまって切れたらほしくなって求めて犯罪を犯すっていう悪循環なんだよね」
「うぐぐ……」
「ま、運がなかったってことで生きるの諦めてね」
私はそのまま、心臓を突き刺した。
血が噴き出る。こういうやつは放置しておくと逃げるから逃げれないようにこうするしかないのだ。ま、仕方なかったっていうことで諦めてくれ。




