vs???
深夜一時。
私はリビングのソファで横になっていた。私の部屋のベッドは武宮兄妹に使わせていて、白露と月乃はその隣の部屋で寝ている。客用の布団が二組しかないため、甲地は部屋で毛布を使わせている。
私? 何も羽織ってませんが何か? 暖房ガンガンに効かせたリビングで横になってるだけ。別に徹夜してもいいけどやることがないんだよな。
「ま、安定のゲームかな」
私はヘッドギアをかぶり、そのままゲームにログインしたのだった。
ゲーム内の時間も今は深夜らしい。
「むにゃむにゃあ……」
「そっか。私カイハの部屋でログアウトしたんだっけ」
隣にはカイハとレブルが眠っている。カイハは寝落ちしたっていう感じで机に突っ伏して寝ているが、レブルは普通にタオルケットを羽織って眠っていた。
私は起こさないようにそーっと部屋を出る。そして、魔王城の外に出ると、夜空は満天の星空が広がっていた。
「星空綺麗だな」
そんな安直な感想しか湧いてこないが。
「って、なんか落ちてるな」
私は道に落ちていた謎の物を拾う……。
とげとげしていてなんだこれ? 赤いけど、なんか神秘的なものを感じる。月のかけらとはまた違った感じで……妖しさはない。ただ妙に光っている。
なんだこれ? なにこれ? 道にたくさん落ちてんじゃん。拾っとこ。
たくさん集めて瓶に入れる。
なんていうか、金平糖みたいだな。全部赤いけど。
するとその時だった。突如突風が吹いたと思うと、目の前にデカいクジラが現れたのだった。魔物のようだが、咆えもせず、たださっきの赤いかけらを吸い込んでいる。
やばいな、吸い込まれる……なこれ。私は咄嗟に木の陰に隠れる。なんなんだあれは。
あのデカいクジラ……。頭に星のマークがついている。どっかで見たことあるんだよなー……。戦ってみて実力を把握してみるか?
そうと決まれば。
私は木の影から出ると、クジラは私に標的をつけたのか、音も立てずに突進してくるのだった。私は水の槍を頭にぶっ差すと、血がでてくる。
少し苦しそうにしているが、情けをかける私ではない。可哀想とは思うが、敵対する以上倒さなくてはならない。
私は、連続でその傷にゴリ押すかのように水の槍をぶっ差していくのだった。
すると、私の鋭い連撃に怯えをなしたのか逃げようとしている。くるっと後ろを向いて全速力を出して逃げているようだった。だが甘い。
私は尻尾につかまり、一緒についていく。図体がでかい分捕まりやすくて助かるものだ。
こいつの名前何かで見たことあるんだけどなんだっけな。




