からあげにレモン
サブタイトルは適当だ、気にするな
新居で初料理をしていた。
ハンバーグの焼く前の状態のものが目の前に並べられている。今必死に空気を抜いている最中だった。目の前でキャッチボールの要領で空気を抜き続ける。
横では必死にお手伝いする夢生ちゃんの姿があった。
「にじゅいち、にじゅ、じゅく」
電子レンジを眺めている。
私も子供の頃よくチンされてるところみてたなぁ。ぐるぐる回ってチンされるのが面白いだか何だか出ずっと見ていたような気がする。
子供って何に興味持つかわかんねーからなー。
「むーちゃんはみんなとゲームしてなくていいの?」
「ねちゃんひとりでかわいそうだからいてあげるの」
「お、ありがとう」
夢生ちゃん以外は目の前でゲームしてやんの……。少しは夢生ちゃんを見習えと言いたいな。いや、わりとマジで。見習えあんたら。
武宮はまだ遠慮あるのかたまにこちらをちらちら見てくるけど。
「さて、と」
熱したフライパンの上にハンバーグのたねをのせるのだった。
料理が出来上がったのは六時ぐらいだった。
むーちゃんがお腹空いたっていって、私のエプロンを引っ張っている。
「ほら、じゃ、これ運んでいってね」
「うん!」
「あ、あの、ぼくもおてつだい……」
「じゃ、あのテーブルに運んでくれる?」
「う、うん」
元気よくハンバーグを乗せた皿をもってテーブルに向かうむーちゃんと対照的に慎重にゆっくり運んでいく弟さん。名前はたしか真瑠くんだったかな?
私はお盆に四つ乗せて頭にから揚げの皿を乗せる。いや、単に分けて持ってくのが面倒なだけで結構なバランス感覚必要だからよい子は真似しちゃダメですよ。
「パン子さん危ないよ。俺持つから」
「そう? ありがと」
「う、うん」
ひょいっと私の頭から皿を取り上げて運んでいく。
一応味は私が好きな塩から揚げにしたけどね。レモンもあるよ。許せないっていう人が多いけど私はから揚げにはレモンかける派。油ものだからやっぱり酸味というか、そういう中和してくれるのが欲しいんだよね。
そして料理がテーブルの上に並べられる。
「「いただきまーす」」
と、むーちゃんとまーちゃんが手を合わせていったので私たちもそれに倣っていただきますといって手を付ける。
この世のすべての食材に感謝を込めて……。これイマドキの子わかるのかしら。たまにネタ古いって言われることあるんだよね……。昔の作品こそ結構面白いのばっかなのに。
「相変わらず見た目にそぐわぬ料理のうまさ……」
「私なんか卵かけごはんと納豆ごはんぐらいしかつくれんな」
「俺もあまり料理は得意な方じゃないかな……。ハンバーグとかって中まで火が通ってるか不安になるし。というかすでに作られてるやつを買うかな基本的に」
「男子ならまだしも女子は料理できないと。いい花嫁にはなれんぞ?」
「パン子が花嫁っ」
なにかおかしいか?
将来的にはたぶん結婚はするぞ。相手がいれば。
「私はできなくもないわよ? 一応習わされていたし。父は結構優しいけど祖父が厳しくて一時期習わされていたからできなくもないわ」
「でもあまりふるまったことはないな」
「そ、そうね。機会がないもの」
ありそうなもんだけど。
私は自分のだけハンバーグを特別にしてあった。ハンバーグを割ると中からチーズがとろりと溶けでてくる。
「あ、パン子のだけチーズハンバーグじゃない!」
「製作者の特権だよーだ。うん、うまい」
「ねちゃん私にもちょーだい!」
「仕方ないな。ほら、あーん。熱いから気を付けなよ」
小さく切って口まで運ぶと、あつっといいながら咀嚼していた。
「美味しい!」
「そう? ありがと」
といいながらからあげにレモンをかける。
「ちょ、何レモンかけてるのよ!?」
「え、あ、ごめん」




