強さの信頼
翌日、ワグマは幹部全員を集め、あの男の幹部という立場をなくすといった。
私は盛大に笑ってやる。恥ずかしそうに顔を赤くし、なぜと魔王様に問う。
「さすがにパンドラにたてついたのはダメよ。パンドラは一人で私たち壊滅できるほどの力持ってるのよ? 悪どさでいえば私以上だからね」
「おい、いつ悪いことをした?」
「街を潰そうと提案したのはあなたじゃない」
そうだけどね? アレは必要だったの。悪いことじゃないの。
「ああ、正直私たちも敵に回したくないのはパンドラだ。帝国よりも厄介になる」
「そ、そんなにですか?」
「パンドラ。今から帝国落としてきてっていえば落とせる?」
「余裕」
「ね?」
まぁ、落とすなら本当に楽だ。
帝国が住む宮廷に入るのだって誰か勤めてる人を殺して成り代わればいい。実にわかりやすい。それに、王を殺し暴虐的な手段に出るというのもありだ。わざと国民に謀反を起こさせる。それだけでも国のピンチになるのだ。国を潰した愚王として名が残るだろう。
「どうやって落とすか言ってみろ! 口だけだろ!」
「そりゃ、相手の王に成り代わって国民に謀反を起こさせればいいでしょ? そうじゃなくても民衆に嘘を流してクーデターを起こさせるとかいろいろ方法はあるよ」
「なるほど、そういう手もあるのですね」
「宗教を利用してもいいな。神はこういっています、だから王を殺しましょうとか」
「神の力を乱用するのはよくありませんパンドラ様…」
「お、久しぶりに声聞いたなマリアベル」
私自身あのメルセウス様の娘みたいなものだから娘の些細ないたずらってことで許してほしいものだ。
「そんなことできるわけないだろう! 王に成り代わる? そんな擬態できるわけ……!」
私は模倣スキルを使ってワグマを模倣する。
と、みんな驚いたように私を見ていた。
「こういう風にできるのよ。誰にだって成り代われるわ。少年にだって……」
今度はエクスに成り代わる。
身長が結構低くなった。
「こういう風にもできるんだぜ! すげえだろ!? なあ!? なあ!?」
「話し方までエクスだ……」
「人間を観察しているものね。喋り方や生活などがわかったらパンドラは簡単に演じれるわよ。嘘つきだから」
「嘘つきってひどくねえ!? 俺は嘘つきじゃないっての!」
「いいから解きなさいよその模倣……」
「はいはい」
私は模倣を解く。
元のアバターに戻ったのだった。まぁ、たぶんどこかにほころびはあるとはいえほとんど完ぺきに近いだろう。結構な完成度だと思う。
「本当に厄介なのよ……。敵に回った恐怖は忘れられないわ」
「……すいませんでした生意気なことをっ!」
「あの魔王様が恐れるほどだろ……」
「素直に従ったほうがいいかもしれないな」
と、次々に言い始めた。
だがしかし、幹部を下ろされた男は納得がいかないようで、ぷるぷると震えていた。
「魔王様! 敵に回る前に殺してしまえばいいじゃないですか!」
「殺す? 簡単に言うわね」
ワグマは大剣で私の首をはねようとするが、液体化しているのでぽとりと首が落ちてまた液体が顔を形成する。落ちた顔は水の塊となった。
今度は魔法を放ってきた。体力が0になったがその場で復活した。
「このように不死の力を持ってるのよ? どう殺せと」
「ねえ、ちょっと怖いんだからね?」
「だ、だが方法があるはずだ!」
「ないよ。私は殺せない」
私はその男の近くに行って微笑む。
そして、水の槍で肩を突き刺し、壁に固定する。
「そんなに実力が心配ならその身で体感するかい? こう見えても喧嘩っ早いんだよ」
「ひ、ひいいいいい!?」
「ま、そんな度胸はなさそうか」
私は水の槍を解き、解放してやった。
「じゃ、私部屋に戻るから」
「ええ。悪かったわね。いろいろと」
「いいってことよ」
ま、不満がある人は多分いるだろうけどね。




