孤児院の因果 ①
私は子供にたかられていた。
「お姉ちゃんの髪きれー……妖精さんみたい!」
主に女の子から。
髪を触られていたりしている。私は相変わらずの無表情で、アンジュはどうしていいのか戸惑っており、レブルは優しい笑顔で接していた。レブル意外とコミュ力あるからなー。私とは違って。私とは違ってね?
「あのユウナに友達がっ……!」
「ちょ、神父さん泣きすぎ。過保護すぎ」
「だってだってユウナは子供たちのこと第一で友達なんて作らなかったじゃないかぁっ!」
保護者と思われる神父さんはわんわん泣いていた。
孤児院。ユウナはもともと孤児だったらしく独立してからも金をいれているらしい。泣ける話だね。
「そりゃ友達なんていたら死にたくないって思うかもしれねーだろ? バウンティハンターなんて仕事してたんだ。死ぬ覚悟はいつもしていたんだ」
「うう……」
「でもよく決心しましたね。魔王領にいくことになるってことは子供たちと離れるってことでしょう?」
「まぁ、いつまでも子供たちが何もしないで私が稼いだ金で過ごすっていうのも為にならないからね。神父さん。ちゃんとバザーとかで働かせるんだよ?」
「わかってるよぉ! もしだめでも僕がフォローに入るさぁ! それに神父業以外でも稼げるから暮らしは大丈夫だよォ!」
「ちょ、いつまで泣くの……」
神父さんが涙を流しながら答えている。
過保護だなぁ……。独立するっていったときはこれ以上泣くんじゃないだろうか。泣きすぎもちょっとうざったいものがある……。
「それで聞きそびれてましたが魔王領って隣の大陸の?」
「うん。そこで働くんだー」
「え、大丈夫? 魔王様だよ? 人間なんて許してくれないって」
どんな目で見られてるんだ。
ワグマは基本受け入れるぞ。よほど変な人じゃない限り。種族なんてワグマには関係ないぞ。
「魔王様すんげー怖いぞー! ユウナねーちゃんちびらねーか?」
「ちびるわけないでしょ」
「でもやべーやつなんだろ? 人殺すし……」
「あはは……」
「なんでねーちゃん笑うんだ?」
いやいや。
「私魔王軍だからねー」
「うっそだー。魔王軍がこんなやさしくねーよ!」
「ふっふっふ。それは本当かな? 化けの皮をかぶった悪魔かもしれないよ?」
「ねーちゃんが魔王軍になれるんならほかのやつもなれるって!」
「結構言ってくれるね……」
流石にひょろっちいから仕方ないとはいえ。
「神父。ちょっといいか?」
私は子供に構っているとユウナが神父とどっか行った。
あそこでこそこそ話しているらしい。すると、神父が何やら謝り倒していた。何かあったんだろうか。私は、子どもたちにごめんねと言ってそっち向かおうとすると、神父がパンっと手をたたく。
「はーい、みんなお昼寝の時間だよー。寝ましょうねー」
「「「「「はーーーい」」」」」
神父がそういうと子供たちは部屋に戻っていく。
そして、神父がため息をついた。
「それで、子どもたちを遠ざけてなにかあったんですか?」
「よくわかったね。これから嫌なことが起きるんだ」
「嫌なこと?」
「君たちは知らなくてもいいよ。うちの孤児院の問題だからさ……」
その時、外で音がする。何かが蹴られた音。
「おうおういねえのか神父よ!」
「ユウナ。落ち着いていてね」
「……ちっ」
私たちは外に出たのだった。




