勝負だ!
時は現代に戻り学校。
私はとある生徒に呼び出しを受けていた。
「夢野 眠! お前に勝負を申し込む!」
と、男子生徒からそういわれたのだった。
黒髪でキノコ頭をしている男の人だった。告白かと思ったじゃねえかよ。
「お前はいっつも学年一位をとってきたが……ここまでだ!」
「へぇ。宣戦布告?」
「ああ、次は俺が学年一位になる。二位、おめでとうな!」
と、煽ってくる。
というか。
「ってかあんただれ?」
「ぶふっ」
隣にいた男子が吹き出していた。
誰かもわからないのに勝負を受けさせられても。キノコ頭の知り合いはいないし。キノコ頭のね。
「よ、四組の榎本だ! 学年二位の!」
「ああ、山田太郎君!」
「今さっき榎本だって言っただろう! 榎本 春樹だ!」
「冗談だって。で、榎本くん私と勝負したいの?」
「もちろんだ! この学校は大した学校じゃないから学年一位は余裕だと思っていたが……! あんたみたいな伏兵がいるとはっ……!」
単に近場の高校選んだだけだからね。
その気になればもっと偏差値高いところにいけるし。
「ま、勝負したいならしてもいいけど……。たぶん私に勝つことはほぼ無理じゃない?」
「やってみなくちゃわからないだろう……!」
「私、大体満点だよ?」
「……はい?」
「は?」
「いや、テストで満点以外ほぼほぼとったことないし」
これは事実だ。
ケアレスミスで減点されることはあるが大体が満点であり勝つことはほとんど無理だと思うよ。それこそ私のミスを狙って尚且つ全教科満点をとるような感じじゃないとね。
私って頭だけは優秀だからね。
「なあ、これ無謀じゃない? いくらお前でも全教科満点は……」
「いや、やる! 全教科満点はとれるさ!」
「無駄にポジティブだよな……」
「じゃ、勝負ね。負けた人はそうだなぁ……」
「なにか賭けるのか!?」
「そのほうがつまんなくないからね」
それに、罰があったほうが余計に燃える。
負けた人にはなにさせようか。
「じゃ、負けた人はとりあえずげんこつでどう?」
「こいつに女子殴れっていうのか?」
「あはは。そこまでやる人じゃないか。別に殴ってもいいんだけど……。じゃあそうだなぁ。駅前のファミレスで激辛チャレンジすること」
「そ、それぐらいならいいぞ。やってやる」
「じゃ、次のテスト……。期末テストで勝負だね」
罰はもしも私が負けた時でも苦しくないのにしておいた。
辛いのは余裕だし、というか何回もチャレンジしてるし大丈夫だろう。あの店がもっと辛さを激しくしても食べ切れる自信あるよ。
勝負を受けたら男の子たちは満足そうに去っていった。
……さて、無駄な勝負をうけちゃったがまあいいだろう。




