班員で遊ぼう ②
昼の時間になり、私たちは近くのファミレスに来ていた。
有栖川さんはカルボナーラ、梅田君はハンバーグ、山崎君はドリアで、武宮君はから揚げ定食を頼んでいた。
で、私はというと。
「ねえ、パン子それ大丈夫? 激辛って書いてあるが……」
「こんなの余裕。20分以内に食べ切ればいいんですよね?」
「ええ、きちんとはかりますので。もちろん協力しても構いませんよ」
「へーい」
真っ赤に染まった激辛パスタ。
世界一辛い唐辛子とかをふんだんに使っているらしく見た目は地獄を体現したような感じ。でも、結構おいしそうではある。
「じゃ、いただきます」
「……俺一口貰っていい?」
「お、俺も。どんだけ辛いのか……」
ちょっとの麺を啜る。
「うぎゃああああ!? 辛ええええええ!?」
「み、水ッ! 水くれ!」
「どんだけ辛いんだ……」
「なんか、怖いですね……」
悶絶する二人。男のくせに情けない。
私は一口口に運ぶ。
「お、結構辛いな」
「結構どころじゃねえよ!?」
「舌痛い……」
辛いけど無理ってほどではないな……。
一口、また一口と食べ進めていく。この辛さ……やばいね。超やばいね。うまいね。この口の中が暑くなっていく。体温が上昇していく。やばいやばいやばい。
超やばいよ。いや、マジで。
「くうう! 辛ええ! 美味えええ! 味は二の次かと思ってたけどそうでもなかった」
「は、早い……」
「あ、食べ終わっちゃった。お代わりもらえます? パスタってどうも量が少なくて」
「ええ……」
この程度の辛さに悶絶とか情けないな。
「見てるだけで舌痛そー……」
「わ、私普通のカルボナーラでよかったです……」
「ハンバーグ定食のお客さまー……」
「い、今アツアツなの無理! 舌痛いんだけどっ!」
「ヤムチャしやがって……人の事言えないけど」
二人とも水を口に含んでいる。
この刺激が好きなのに……。みんな辛いのだめそうだなー。好きなら激辛料理でもふるまってやろうと思ったのに。
「あ、食後のアイスも追加で」
「そ、そちらは食べ切った方には無料となっております……」
「あらそう?」
「パスタのお代も無料と……」
「じゃあこれ腹いっぱい食べれるってことか」
「ええ……」
「あまり言いたくないけど味覚狂ってんじゃないの?」
「それはないよ。辛さっていう味覚はないよ」
「「そうなのか!?」」
知らなかったのか。
「人間は甘味、酸味、塩味、苦味、旨味しか感じないんだよ舌で」
「ああ、甘さ、すっぱさ、しょっぱさ、にがさ、うまさの五つか」
「これを五味っていうんだけど」
「え、辛さってないの?」
「辛いって思うとさ、痛くなるでしょ?」
「今も口痛いし暑いが……」
「そう、それが辛い」
「というと?」
「辛さは刺激なんだよ。だから痛いのさ」
「なるほど……」
「まあどちらにせよ狂ってるな」
「……私はちゃんと辛いとは思ってるからね?」
勘違いされてそうだけど。




