いきなりエンカウント:死したはずの遊戯の神 ②
マリアウス様、メルセウス様が呼び寄せたのは一人の男だった。
「久しぶりだね、ローキッス」
「ありゃりゃ。もうばれちゃった系?」
にやにやと笑う糸目の男性。
不快感を表す二人の女神。
「なんで死んだはずのあんたが生きているの?」
「神がそう簡単に死ぬわけあらへんやろ。死んだふりなんちゅう嘘は大得意やで?」
「欺くことも得意というわけか……」
死んだふり。
本当に死んだふりでいいのか? 死んだところは見ていない、が、本によるとローキッスは塵と化して消えていったはずだ。死んだふりなんかじゃ説明が……。
いや、影武者、か?
「それでどうするんや? 俺をどうするつもりや?」
「もちろん殺すに決まってるだろう。ローキッス。お前の悪行は許せんことばかりだからな」
「そうカッカするなや~。単にお茶目やろ?」
「お茶目? あれをお茶目で済ませるつもりか」
メルセウス様の怒りのボルテージが上がっていくような気がする。
「今すぐここで死ね」
「怖い怖い。暴力を振るうつもりか?」
すると、辺り一面が緑の線を引かれていく。一昔前のゲームのような感じの部屋が出来上がった。ちっと舌打ちする二人の神様。
どういうことだろうか。私にはさっぱりわからない。
「これを展開されるとは厄介だな」
「久しぶりに勝負しようや。勝負に勝ったら何でも一つ言うことを聞いてやるで?」
「ねえメルセウス、私そんな頭使う勝負得意じゃないんだけど……」
「私もなんだが……。あいつはそれを知ってるからな」
まずどういう状況下説明はしてほしいが。
「なら私がやりますよ。頭使う勝負なら大得意です」
「な、なら任せる。任せてしまってすまないね」
「いいんですよ」
私はローキッスが座っているテーブルの席に座る。
机の上にはトランプが置かれていた。ブラックジャックに七並べ、神経衰弱にババ抜き……。どれで勝負するつもりだろうか。
「ポーカーで勝負しようや」
「運ゲー?」
「それはどうかな?」
ディーラー頼むわとメルセウス様にお願いしていた。
「ポーカーのルールはわかるわな? ポーカーのルールは省くで。このゲームの勝敗を決める方法はこれや」
と出してきたのはチップだった。
積みあがったチップが私の目の前に置かれる。
「全部で20枚ある……。それが最初になくなったほうが負けや。必ず勝負の最初に何枚かかけるんやで」
「ふうん」
「自分が勝ったらお互いかけたぶんが勝った方にいく。それだけや」
「ま、単純なほうがいい」
「ようわかっとる。ごちゃごちゃせえへんで単純なほうがいいんや」
ローキッスは笑った。
この神、本当に悪い神なのかは甚だ疑問だが、勝負を開始しよう。




