パンデミミック! ①
そういえば王って名乗ってるのに国民はいないよな。なんて思っている今日この頃。
「パンドラ、水頼む」
「ええ、私水出すためだけの人じゃないんだけどぉ」
「いいじゃないか」
「しゃあないなぁ」
水の玉を作り、ビャクロに思い切りぶつける。
水の玉が弾け飛び、シャワーのように降り注いだ。
「やはりこれは冷たくて気持ちいな」
「やってるのは私だけどね」
今外の気温、53℃。異常気象にもほどがある。水の力で涼しくしてる私の個室以外は本当にむわんとする暑さを誇っている。
ゲーム内でも天候というものがあり、気温というのが存在する。今は高温度状態で素早さが少し下がる。氷を持っていたらそれがないが、氷は数分で解けるので冷房装備というのが必要になるらしい。
「それにしてもゲーム内でも暑いとはな。外で走っていると熱中症で倒れた女性がいてな。困ったものだ」
「まぁ、ここ一週間くらい雲の姿なんか見てないしねえ」
現実でも、ゲームでも。リンクはしてないはずだけど天候が現実とかぶりすぎでちょっと怖い。
「そういえばこの暑さで池の水が干上がってるらしい。だけど誰も探索しようとしないが……いくか?」
「いくか」
水の中に入ればこんな暑さなんてへっちゃらだ。
それにしても池の水が干上がったってどんだけ暑いんだよ。あ、池っていうのはパライゾがいた池な? 池っていうか、湖だけど。
その湖が干上がるほど暑いって……。
「でもワグマいないからなぁ」
「ワグマにはあとで報告しよう。何か見つけたらな」
「十中八九あると思うんだよな」
で、結論から言うと、あった。
湖の底に、なにやら穴が開いていた。ダンジョンの入り口みたいだ。中にはモンスターがいて、私たちはどんどんと下に降りている。
敵はちょっと強い程度だがまあ問題はなく進めていた。
「ふむ、遺跡型ダンジョンだな」
「ゴーレムとか多いねえ」
ダンジョンも複数ある。自然型。森のダンジョンが多い。植物系のモンスターが多く分布している。洞窟型。その名の通りだ。洞窟の状態であり、魔獣系が多い。墓地型。もう、おどろおどろしい雰囲気のダンジョン。アンデッドしかでない。天空型。誰でも空中に浮いてしまうダンジョン。鳥系の魔物が多い。屋敷型ダンジョン。使われなくなった廃屋がなっている。ゴブリンなどの人型の魔物が多い。そして私たちが探索している遺跡型。ゴーレムなどの物質系の魔物が多い。
ダンジョンって奥深いね……。
「めぼしい宝はないな。こんなところ誰も探索はしてないだろうから結構あるがほとんど金品だけだ」
「道中はこんなもんでしょ」
問題は……ボスだ。
何がボスで何がドロップするのかは知りたい。もしもそれが有用なものならば……まぁ使うのみだろう。私たちは奥に進んでいく。
すると、ボス部屋みたいな場所についた。そこにはデカい宝箱がある。
明らかに怪しい。
「ビャクロ、あれに石ぶつけてみて」
「なぜかは知らないがわかった」
大きく振りかぶり、宝箱に石が当たると、宝箱の中から女性が飛び出してきた。宝箱の魔神か?
「ふふ、初めて人が来たわぁ。これは存分に戦ってあげないと、ね?」
「どうやら向こうは戦う気満々らしいな」
「仕方ないな……」
私は、弓を手にする。
「うふふ! あなたの価値はどれくらいかな? 高く売れるかな?」
「宝箱の魔神か?」
「そうよ。正確にはミミックって言われてるわぁ」
「……ミミックって人型だったっけ?」
「知らないわ」
私の知ってるミミックって人の形してないんですよね。




