難攻不落の魔王城 ①
文化祭前々日でも構わずゲームをやる。
私は空中にただただ浮いていた。書庫の本は大抵読みつくしてしまったしレベル上げもだるいし、本格的にやることがない。
平和過ぎてもつまらんなぁ。どこかの国と喧嘩してえ。
「パンドラパンドラ! 戦う準備をしろ!」
と、ビャクロが駆け込んでくる。なにがあったのかはしらないが、とてつもない慌てようだった。
弓矢を構えて表に出ると、何やら鎧を着た人がいたりなど兵士がたくさん並んでいる。ニホン、オールランド王国の兵士の格好とはまた違う。
どこの国だろう。
「我々はこの大陸を支配する! よって、魔王! 今ここで死ね! 総員、突撃ぃいいいいい!」
と、兵士が剣を構えて突撃してくる。
誰なんだよお前ら。大陸を支配? 何を言っている。この大陸には三つしか国がないはずだ。ニホン、オールランド王国、そしてエヴァン帝国。
もしや帝国の……? 皇帝は過激派と聞くがもはやこのような暴挙に出るだろうか…。
「どこの国だ」
「我々はルフラン神聖王国だ」
「き、聞いたことねえー!」
どこだよ。
「プレイヤーが作った国だ」
「……あんたもプレイヤーか」
「いかにも」
「これまた面倒な相手なこって」
NPCなら殺してはい終わりとなるが、プレイヤーは復活する。
だからこそ死んでなお突撃してくる可能性が高い。めんどくせえ……。
「ワグマ。これはもう私たち全員で挑むしかないよ。如何せん数が多すぎる」
「そうね。賢者たちも総動員! 心して相手せよ!」
賢者たちが城から出てきて、武器等々構える。
レブルも出てきて、聖剣を構え、マリアベルは祈りを捧げていた。兵士の一人がマリアベルに向かうと、何者かが魔法でその兵士を吹き飛ばす。
「やれやれ。暇だから遊びに来たら戦争ですか」
「アヴェール」
「マリアに危害を加えるようなので私も戦いますよ……。ただ、あなた方よりは弱いので期待はしないでくださいね」
「シスコンさすが!」
「…………」
否定しない辺りシスコンだろうな。
「人が一人増えても変わらん! 総員、数で押し倒せ!」
「数の暴力ってひどいよね」
大人数が正しいと言えば間違っていても正しくなるのがこの世の中だ。誰もそれに疑問を抱かないし、異を唱えない。誰も異端になりたくないから、みんなと同じなら批難されないからな。
でも、そんなのはまちがっているんだよ。お前らが正しいと思っていても私からしたら間違っているんだよ。
「急なことで策を弄する時間もないが、心行くまで付き合ってやるよ。難攻不落の魔王城、落とせると思うなよすっとこどっこい」
私は、弓矢を構える。




