武闘大会で戦わないかい? ①
私はオールランド王国に来ていた。
何しろ、武闘大会が行われるらしい。オールランド王は来賓席を用意したらしく、ワグマは魔王名義でそこで観戦するらしい。
私も座ってほしいと言われたがあいにく私はそこに座るほどのもんじゃない。
「わ、私で大丈夫でしょうか……。そ、その、格闘術だけっていうのは不安です……」
「そう? 剣持ってあんなに動けるんだから大丈夫だと思うよ。殴ればいいだけ。出来るだけ顎を揺らしなよ」
「は、はい」
私はレブルにそうアドバイスをした。
レブルは控室に向かっていく。私も付き添いとしていくことになっている。プレイヤーも参加しているらしく、みんな準備運動をしていた。
みんな腕に自信があるんだろう。レブルがどこまで通用するか楽しみでもある。
「レブル。君は勝てるよ。期待しているから」
「き、期待されてもぉ……」
「大丈夫。不安じゃない。強いんだから」
プレッシャーをわざとかけた。こういう時にプレッシャーに打ち勝ってほしいから。
私はレブルの元を離れ、すると、武闘大会の開会式が行われるということで選手全員が会場へと移動する。
付き添いの人だけが控室に残ったのだった。
「……あれ!? パンドラさんが付き添いなの!?」
「知ってるんですか?」
「有名じゃないですか!」
「まぁそっか」
「てっきりあっちの女の子のほうが付き添いかと……」
「あっちが本命」
誰か勝つのか、私にもわからない。相手の実力は未知数だ。
☆ ★ ☆ ★
『さあ始まりましたオールランド武闘大会! まずは簡単なルール説明をしておきましょう! 武闘大会は男性だけの勝ち抜き戦、オルソ。女性だけの勝ち抜き戦、プラッソ。そして、男性女性混合勝ち抜き戦、オプラッソの三戦! どれに参加するかはくじ引きで決まります! ささ、ということでくじをどうぞ』
緊張する……。パンドラ様の期待に答えなきゃ。
私はがくがく震えながらもくじを引く。できれば女性だけのほうがいいなー……なんて。そう思って勢いよく引くと、オプラッソという文字が書かれていた。
オプラッソ~~!? お、男の人強いから戦いたくない……。
私は今すぐこの紙を破り捨てたい。
『では? くじを確認いたします! そして、こちらのほうで戦う相手を決めさせていただきましょう! 選手の皆さんは控室に戻りください!』
私は肩を落として控室に戻る。
そして、すぐに呼ばれたのだった。どうやら最初は私が戦うらしい。私はため息をついて闘技場まで歩いていく。目の前には相手の人がすでに到着していて、指を鳴らしている。
「一回戦はこんな小さい子供か。こりゃ余裕だわ。何考えてるんだこんな子供をだすなんて」
「うぅ……」
私は、拳を構える。
「それじゃ、ふぁい!」
レフェリーさんがそういったので私はとりあえず縮地法を使い、一気に間合いを詰める。
「は?」
「師匠は顎を……こうかな?」
回し蹴りで顎を思い切り蹴る。すると、相手が倒れてしまった。
『瞬殺だー! 勝者、レブル!』
「あ、あれ?」
なんか勝てちゃった……?
仮にも元勇者




