story7《戦の始まり》
ーあらすじー
自身の思い付きにより[ミヌス·ノビリス一等騎士団]の団長_インペロ·ホーミネスに地下捕らわれたシャドラ。インペロに拷問を受けそうになるが、ガンマが到着しインペロを始末して、救出する。しかし、地上のロビーではインペロの側近であるシュラアが待ち構えており、ガンマと対峙する事になる。
■ ガンマはシュラアに向かって低姿勢で走り出した。それに応じてシュラアも両手に持った双剣を構えガンマに向かって走り出した。しかし、ガンマは距離にして数歩の位置で一瞬停止し、その後後方に宙返りをしながらシュラアに、両手の拳銃から数発の弾丸を打ち込んだ。シュラアは不意を突かれ驚愕の表情を垣間見せたが、即座に双剣を前方に突きだし、弾丸の軌道を反らして回避した。そして、ガンマが追撃に放った二つの弾丸も容易く弾き落とした。ガンマはシュラアの反撃を警戒して大きく間合いをとっている。
「ハハハ。これはこれは、まるで曲芸師のような動きをされますな。これはなかなかに楽しm...フンッ‼
人の話している時に邪魔をいれるとは、マナーがなっておられないようで。」
発言を攻撃によって遮られたシュラアが、憤りの眼差しで前方のガンマを見やると、ガンマは銃口を向けながら、
「当機は戦闘中にはマナーも何も無いと認識している。任務達成こそが最優先するべき事であり、その他は二の次である。」
と怪訝そうな眼差しと共に返した。するとシュラアは無言で双剣を前方で交差させる構えを取り、それを勢いよく左右に擦らせながら振り下ろした。すると、シュラアの双剣は砕け散るように先から崩れ、蛇腹剣のような形に変形した。
「それでは恐れながらこの老骨がその身にマナーを刻み込んで差し上げましょう。」
そう言って、シュラアは二つの蛇腹剣を鞭のようにしならせ、無数に全方向からガンマに攻撃を行い始めた。
そんなロビーでの激しい戦闘を目の当たりにしながら、安全な位置ではなにも出来ないシャドラは、最後までガンマとシュラアの戦いを見守ることしか出来なかった。シャドラは自分の身勝手で引き起こした現状を悔いていると、ガンマを壁際に追い詰めたタイミングで、シュラアの様子が少しおかしい事に気づいた。
初めは両手で攻撃を仕掛けていたはずが、今は右手だけあまり動かしていない。それに何の目的があるのかは分からなかったが、嫌な空気を肌で感じたシャドラは、ただがむしゃらに「ガンマ、右手!!」と叫んだ。それに気付いたガンマがシュラアの右手を見ると、いつの間にか散らばっていた刃渡りが剣状に収束していた。それをシュラアが突きだして来るのと同時に身をよじらせ、間一髪で回避することができた。しかし真っ直ぐに飛んできた刃渡りはそのままガンマのすぐ後ろの柱に突き刺さり、それによってガンマの周囲の壁が崩れた。そしてガンマは瓦礫と共に土煙のなかへ消えていった。
「これこそが、私の剣技:刃鞭の獄。敵をこの二つの蛇腹剣で建物の隅に追い込み、頃合いを見て刺突攻撃を繰り出す。万が一外したり避けられたとしても、崩れた瓦礫に埋もれて圧死する。この剣技にかかって生きていた者は未だかつておりません。
さて、次はあなたの番ですよ。シャドラ様。あなたは我が騎士団長のコレクションのひとつでありますから、なるべく傷が付かないように仕留めて差し上げましょう。」
そう言って、シュラアが剣の刃先をシャドラに向けた。シャドラは恐怖で全身が震え、座り込んだままシュラアを見ていたが、その目はまだ死んでおらず何かを信じていた。シュラアはそんなシャドラの目付きが気に入らず即刻仕留めようと剣を振り上げた。
すると、1つの銃声と共にシュラアの脇腹が撃ち抜かれた。シュラアは思わず吐血し、銃声のした方を見ると、そこには瓦礫の山から這い出てきたガンマの姿があった。
「イーグルアイ、中·遠距離において絶対の精度を誇る、当機の眼球だ。無論この距離なら外すことはあり得ない。」
■
「なぜだ!なぜ貴様が生きている!先程瓦礫に押し潰されて死亡したのではなかったのか!!」
シュラアが動揺を隠しきれず、怒鳴るようにガンマにそう言い放つと、ガンマではなくシャドラが自慢げに答えた。
「確かに常人であればあの瓦礫に潰されれば死に至るでしょう。常人であれば。しかし、ガンマは人ではなく機械。だからあの程度では死ぬ事は無いのです!」
驚愕が口から零れ唖然とするシュラアにガンマはこう告げた。
「これで終わりにしよう。当機達には時間があまりないのだ。」
そのガンマの言葉にシュラアは憤りによって戦意を取り戻し、雄叫びをあげながら刺突攻撃を繰り出した。ガンマはそれを軽々と回避しシュラアの眉間に照準を合わせて引き金を引いた。
「これで、終わったの?ガンマ良かった!瓦礫に飲まれた時はどうしようかと....」
「反省や休息もいいが、今はここを素早く立ち去る事が先決だ。音によって野次馬も集まっているし、先程確認した数十名の敵もすぐそこまで迫っている。顔を認識される前に立ち去る事を提案する。」
ガンマの提案にシャドラが頷くと、ガンマは即座にシャドラを右脇に抱え、屋根の上を目にも留まらぬ速さで渡って姿を消した。
あとに残ったのは、破壊された宿屋とシュラアの死体、そして青空に響くシャドラの悲鳴であった。
今回は初の戦闘描写が入りました。分かりにくかったらすいません。また頑張ります。