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story2《出逢い》

■ 欲制の立方体の内部、小倉庫の1つ。大小さまざまな物が積み重なったその中に一人の女性と青年が対面していた。女性はストーリーテラーのシャドラ。彼女は座り込みながら困惑していた。


(ガンマ、、、何?大戦?一体これはどういう状況なの?!)


彼女は一度深呼吸をして意識を整えて、対面している青年に詳しい説明を求めた。


「ふむ。説明が不足していたか。ではどこから話すか...そうだなまず[大戦]について話すか。

現在が以前からどのくらい経っているのかは分からないが、大国と小国連合によって引き起こされた[第3次世界大戦]と言えば分かるか?」


「その、大国と小国連合の戦があったのは知っているんですが、それは[第3次世界大戦]というんですか?と言うか"第3次"ということは、第1次と第2次もあったのですか?」


「ああ。世界大戦は当機の知り得る限りであれば過去に3度起きている。そして世界大戦は回数を重ねる毎により悲惨なものになったと聞いている。

一度目では機関銃や爆弾、化学兵器の使用などによって多大な死者を出した過激な戦争であったらしい。二度目では電子兵器やミサイル、爆撃機の発達そして核兵器と呼ばれる大規模無差別破壊兵器によって冷酷な戦争になってしまったらしい。そして、3度目では、核兵器・ミサイルの乱用により地形を塗り替え、その地域の生物を死滅させ、涙と血と有害物質によってこの大地が覆われた最悪の戦争になってしまったのだ。」


シャドラは青年の口から語られた悲惨で恐ろしい戦の歴史を聞き、戦慄した。世界規模の戦が一度ではなく3度も行われていた事実と最終的に地形を塗り替えるほどの破壊が起こっていたことに対して背筋が凍るような思いがした。そのときふとシャドラは宿屋の老人にも話した[七人の英傑]という物語のことを思い出した。


「あの、私の聞いたお話によれば、過去の大きな戦では七人の英傑と呼ばれる方々がいたらしいのですが、本当ですか?」


青年はきょとんとした顔をして、シャドラの質問に答えた。



「ああ、居たぞ。当機はその一人のガンマノイド[銃の達人]だ。大戦の遺物という説明では分かり辛かったか?」



「あ、そーでしたか。なるほどなるほど最後の大戦で活躍したから大戦の遺物ということですか。ふむふむでもそれって"遺物"っていうよりは"英雄"ですよねーHAHAHA...ってええええええええええ?!あなたがあの七人の英傑の一人?!文献によれば五十年前ですよ?!こんな若者である訳が...

そもそもそんな英雄の中の英雄と呼ぶべきお方がこんな倉庫のような場所で袋に包まれてるわけないでしょ!!無礼にも程があるでしょう?!」


 先程まで状況を整理するので精一杯だったシャドラの一転した早口でのツッコミに、青年はたじろぎながら1つずつ"誤解"を解消していくことにした。


「まず、当機は人ではなくて機械だ。だから遺物という方が適切な表現だ。」


「機械なんですか?!まあそれなら若者であることは分かりますが、見たところ完全に人間にしか見えませんけど?」


シャドラがそう返すと青年は自分の右腕の肘の裏を左手で押した。するとカチッという音がして青年の右腕の肘から下が外れていた。シャドラが驚きで口を開けて絶句していると、


「これで納得したか?なら具体的な説明に入ろう。

当機は第3次世界大戦の際小国連合、当時は国際連合と呼ばれていた組織の[人工メシア創造計画]によって産み出された七機体のうちの一人だ。七機体の正式名称は、[対決戦型人工戦闘兵器]通称:決戦型ヒューマノイドである。七機体はそれぞれ基本的な性能に上乗せで1つの性能を特化させた機能があった。当機の特化された性能は"銃の類いの扱い"であり、銃を扱うヒューマノイドということから、ガンマノイドと呼ばれていた。」


「そーなんですか。何だか物凄い機密を知ってしまっている気がしてならないのですが、他に何か知っていることはありますか?」


と、メモをしながらシャドラが質問すると青年はズイッとシャドラによって来て、少し圧をかけながらこう言った。


「当機が話せることはもうないが、こちらからもいくつか質問がある。今まで話してきたことは重要な機密だ。嘘をついたりしたら...その時は分かっているな?」


先程までの淡々と質問に答えていた様子から、急に脅し文句を言い放った青年にシャドラはたじろいだ。いつの間にか青年の左手には拳銃が握られておりいつでも発砲できるという雰囲気を漂わせていた。シャドラは言葉が出ずにただ首を全力で縦に振って応答した。


「ではまず1つ。ここはどこであなたは何者だ?なんの目的で当機を起動した?」


「えと、私の名前はシャドラ・アルマーニと申します。ここは第3次世界大戦後に世界を牛耳っているサールスという大国の北西部に位置する街で、その街を統制している政府の方々の行政執行機関(?)と言うような場所です。あなたを起動した理由は特にはなくてですね、たまたまここについて袋詰められたあなたを見つけたという次第です。これでよろしいでしょうか?」


シャドラが失礼の無いように恐る恐る言葉を選んで答えると、青年は少し考えた素振りを見せ解決した様子をするともう1つ質問をシャドラに投げ掛けてきた。


「そうか、あなたはその政府の人間か?そうは見えないのだが。そうでないならばなぜここにいるのか説明を求める。」


「私、昔から好奇心旺盛でして、気になったことあるとつい後先考えずに行動してしまうんですよね。今もその好奇心に突き動かされて、立入禁止区域に足を踏み入れてしまい今に至るというわけです。あはは...」


シャドラがそう答えると、青年は納得したのか警戒を解き、左手の拳銃をしまった。それに応じてシャドラの緊張も解け、ホッと一息ついた。そして目の前の青年を改めて見てみると、青年はなんとも奇抜な格好をしていた。下半身はスパッツのようにピッチリと肌のラインに沿う短パンのようなものを履いており、上半身にはタンクトップのしたから胸の下辺りまで切り取ったような形のピッチリしたものを着ていた。その露出度が高い服装を覆い隠すようにぼろ布のようなローブを羽織っていた。それに加えて、黒髪の短髪に無表情な顔であるので凄く不思議な格好をしていた。手や足にはテーピングのようなものが巻かれており、履き物は無かった。太ももと二の腕にはガンホルダーがつけられていた。先程左手に握られていた拳銃もそこにしまったのだろう。

 シャドラがそんなことを思いながら青年を見つめていると、青年がふとシャドラの方を見て、


「どうした?ここから出ないのか?マッピング機能なら当機に搭載されているから案内は出来るぞ?」


「そうでしたか。なら安心ですね。ではお言葉に甘えてついていきます。」


シャドラがそう言うと青年は歩き始めた。シャドラは置いていかれないように青年のローブをつまみながらついていった。出口までの道程は驚くほどに何もなく、数分で外に出た。外に出ると青年は何かを考え始めた。するとシャドラは少しおどおどしながら、


「あの、もし良かったら貴方についていってもよろしいでしょうか?私一人ですと何かと心配ですし、それに貴方には色々と興味があるので。」


と青年に言った。すると青年は淡々と疑う様子もなくシャドラの頼みを承諾した。


「当機は現在目的も所有者も不明で次の予定が何もない。こちらこそよろしく頼む。行き先はあなたが決めてくれ。当機は一旦それに従おう。」


「ありがとうございます!あの、私のことはシャドラと呼んでいただけますか?それとあなたのことはガンマと呼びたいです。そちらの方が分かりやすいと思いますし...」


「了解した。シャドラよろしく頼む。」


少し照れた女性と無表情の機械。一人と一体は街の方へ歩き始めた。

なんか、連載というものの大変さが分かってきましたw最近疲れがより溜まるような気がするのは、気のせいですかね?wまあでも次も頑張ります。お疲れ様でした。

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