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アルビトリウム  作者: 新条満留
第一章 アルビトリウムの伝説
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触れ合い

触れ合い


 男は理想の女性を目の前にすると、何も出来なくなってしまうらしい。

 ある日、学校の廊下で護が友人と雑談をしていた時のことだった。香が彼の前を通り、彼女の抱えていた荷物の間からブローチが落ちた。それが偶然に彼の足元に転がって来た。彼はそれを拾い上げたが、彼女は落したことに気が付かず彼の前を通り過ぎて行った。彼は急いで彼女の後を追った。

 「あのぉ、これ…」

 護は彼女を呼び止めた。

 香が彼の声で振り向いた。その時、彼は初めて彼女の顔を間近に見た。彼は彼女の美しさに魅了され言葉をそれ以上継ぐことができなかった。

 「ありがとう」

 香は笑みを浮かべて護に礼を言った。彼女は彼の掌の上に載ったブローチを受け取ると、彼の手に彼女の手の温もりを残して再びそのまま廊下を進んで行った。彼は彼女の後ろ姿を呆然としたまま見つめ、話していた友人から名前を呼ばれるまで自分の存在を忘れていた。

 護が香と初めて触れ合った出会い――護はその時のことを今でもはっきりと覚えていた

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