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仙龍創乱2  作者: 劉・小狼
第1章
9/64

 9

 朱雀が鳳臥関からいなくなると劉・小狼に

掛かっていた術も解け、動けるようになった。

 「朱雀め!…… 誰か、いるか?」

 劉・小狼は怒りながら、大声で叫んだ。

 「なんだ!うるさいぞ!……」

 そう言いながら、面倒くさそうに奥の方から

舜炎が現れた。

 「すまんがここにいる者で動ける者を

何人か、集めて欲しいのだが……」

 劉・小狼がそう言うと

 「そんな者はおらん。ここにいる者は

怪我をしている者ばかりだ……」

 舜炎は再び奥の方へと戻ろうとした。

 すると、奥の方から堯閣が出てきて、

 「何人、欲しいのだ?……」

 劉・小狼に訊いてきた。

 劉・小狼はじっと堯閣を見詰めながら

 「50人ほど、欲しいのだが……」

 と言うと堯閣は困った顔をしながら

 「それは無理だ!この中でまともに動けるのは

我らを除いて、10人ほどだ!……」

 と言った。

 少し俯いて、考えた劉・小狼は

 「なら、良いわ! 後は頼んだぞ!……」

 と言うと朱雀の後を追い、鳳臥関を後にしようとした。

 「無理をして!舜炎。 後を頼んだぞ!」

 堯閣は舜炎にそう言うと自分も劉・小狼の後を追いかけ、

鳳臥関を後にした。

 劉・小狼が魔女の手下になった趙燕を倒すために

鳳臥関を出た朱雀に追いつくとすでに朱雀は趙燕が指揮をする

無数の魔女の兵と戦っていた。

 『やばい!……』

 劉・小狼は双方に気付かれないように慌てて、近くの岩陰に隠れ、

様子を伺った。

 『ヤツ【趙燕】は何処だ?……』

 劉・小狼が辺りを伺いながら、趙燕のことを探すと

朱雀が戦っている場所から少し離れた小高い丘の上に

趙燕と共に趙燕と同じように右側に碧色の怪しげな仮面を

被った孫嘉【そんか】が趙燕にアドバイスをするかのように寄り添い、

共に馬に跨っていた。

 劉・小狼は趙燕の横に寄り添うようにいる孫嘉を見て、

 「あれは孫嘉か?……」

 と驚いた。

 孫嘉の趙燕への巧みなアドバイスで朱雀は段々と魔女の兵に

追い詰められていた。

 『こ、これはまずい。朱雀を助けないと……』

 劉・小狼が朱雀を助けようと隠れていた

岩陰から出ようとしたその時……

 「ま、待つんだ!……」

 後ろから劉・小狼を呼び止める声があった。

 『え?……』

 劉・小狼が後ろを振り返るとそこには堯閣がいた。

 堯閣は劉・小狼と共に岩陰に隠れながら、

 「アイツ【朱雀】を今、助けた所で我らに勝ち目はない……

それより、手薄なあっち【趙燕】の方を襲った方が

まだ、我らに勝ち目はあるぞ!……」

 劉・小狼の横でそう言った。

 確かに堯閣が言うように趙燕らがいる小高い丘には

趙燕と孫嘉以外は兵らしき者はいなかった。


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