7
今まで蒼琥の話を聴いていた堯閣は蒼琥に目掛けて、
飛んで来る矢に気付き、
「あ、危ない!……」
蒼琥に目掛けて飛んで来る矢に自分の矢を放った。
堯閣の放った矢は正確に蒼琥を狙った矢を
打ち落とした。
「だ、誰だ!……」
劉・小狼が蒼琥を狙った矢が飛んできた方に振り返ると
そこには片面に真っ赤な怪しげな仮面を被った趙燕が
劉・小狼に弓矢を構えて、小高い丘の上に立っていた。
「お、お前は…… 趙燕!」
劉・小狼は突然、目の前に現れた趙燕に驚いた。
「蒼琥。見付けたぞ!死ね!……」
趙燕はそう言うと劉・小狼に目掛けて、小高い丘から
襲い掛かってきた。
本気の趙燕の目を見た劉・小狼は
『こ、これはやばいぞ!……』
と思い、自分の腰に携えていた龍神眼の剣を抜いた。
劉・小狼は龍神眼を構えると後ろにいる堯閣と舜炎に
「そいつ【蒼琥】を連れて、逃げよ!」
と言った。
趙燕は自分の腰に携えている剣を抜くと
「逃がさぬぞ!……」
劉・小狼に切りかかって来た。
劉・小狼は何とか、趙燕を止めようと龍神眼で
趙燕の剣を受け止めた。
劉・小狼の龍神眼と趙燕の剣が触れた瞬間、
爆風に似た二人の剣圧が辺りに拡散した。
その剣圧の威力に劉・小狼と趙燕は
それぞれ、吹き飛ばされた。
『流石だ!……』
劉・小狼が趙燕の強さに改めて、関心をしていると
体勢を立て直した趙燕は再び、劉・小狼に目掛けて、
襲い掛かってきたが劉・小狼はさっき、趙燕と剣を交えた
威力で痺れており、趙燕の攻撃を迎え撃つことが
出来なかった。
『ま、まずい…… やられる!』
劉・小狼がそう思い、諦めかけたその時、何処からともなく、
真っ赤な火の玉が劉・小狼と趙燕の間に割って入ってきた。
劉・小狼と趙燕の間に割って入って来たのは真紅の鎧を
身に纏った朱雀だった。
劉・小狼が驚いた顔で朱雀の事を見詰めながら
「あ、貴方は……」
と呟くと劉・小狼の事に気が付いた朱雀は
劉・小狼の事を見ながら
「おおぉ。お主かぁ…… とりあえず、ここは
一先ず、退くぞ!」
と言った。
趙燕は目の前の朱雀を見るなり、
「み、見付けたぞ!今度こそ……」
朱雀に目掛けて、襲い掛かった。
「ぶ、無礼者!……」
朱雀はそう言い、自分の力を解放をし、趙燕を吹き飛ばすと
空間を歪め、劉・小狼らと共にその場を後にした。