最終章 終
劉・小狼は郭瑜らの後ろを見詰めながら
「お主らには悪いがもう少し、わしに力を
貸してくれぬか?」
と言うと郭瑜らは一瞬、顔を見合わせるが
「何を仰っているのですか。 もとよりわしらは
小狼さまにお仕えする者です!」
郭瑜らは意を決した顔で劉・小狼のことを見詰めた。
劉・小狼は郭瑜らの力を借りて、郭瑜らの後ろに
杜闑と共に漂っている化け物と化した曹虎を
特殊な結界の中に封印した。
劉・小狼は力を使い果たし、漂っていると
「やっと、全てが終わったわね!
ここでずっと、貴方と一緒よ!……」
劉・小狼の前に水蓮が現れた。
「良かった!これで全てが終わったんだな。
やっと、休める……」
全ての力を使い果たした劉・小狼は水蓮の腕の中で
安らかに深い眠りに付いた。
一方、その頃……
激しい揺れが収まり、地面が安定すると舜炎は
「さあ。アイツ(劉・小狼)らの意志を
継ぎに行こう!」
と言うと堯閣と共に多くの民が待つ、水霞曉へと
向かった。
舜炎と堯閣が水霞曉の近くの丘に立ち、背中から
朝日を浴びると眼下に立ち並ぶ、民達を見た。
民達は朝日を浴び、自分らの前に現れた舜炎と堯閣に
「新たなる王だ!」
口々に叫び、舜炎と堯閣の前に平伏した。
舜炎と堯閣は生き残った刻神の臣下となり、
北方の敵を退けたり荒れ果てた土地などを復興していったが
すでに民の心は舜炎や堯閣にあり、刻神に民を
纏める力はなかった。
暫くして、そんな民の熱い思いに後押しされ、
舜炎と堯閣は力を失った刻神に対して、反旗を翻した。
刻神はすぐさま、舜炎と堯閣に対して、討伐に兵を挙げたが
民の味方につけた舜炎と堯閣の勢いに押され、残った刻神の臣下も
一人、また一人と舜炎と堯閣へと靡いていき、
ついには刻神を打ち倒し、龍炎国を手に入れ、民達を治めた。
暫くは舜炎と堯閣は二人で龍炎国を治めていたが
意見などの違いから二人は分裂した。
それをきっかけに他の不満を持つ、臣下らも
一斉に各地で反旗を翻した。
~終わり~




