最終章 3
劉・小狼の合図と共に四仙獣は四方へと散らばり、
郭瑜の号令と共に特殊な結界を張った。
特殊な結界が張られた事を見た劉・小狼は
化け物と化した曹虎と少し距離を置き、四方に散らばった
四仙獣のちょうど、真ん中に立つと
「消え去れ!闇の根源よ!……」
というと地面に持っていた龍聖丸を突き立てた。
ゴォー……
ものすごい音と共に四仙獣らが張った特殊な結界の中は
空間が歪み、全てを無へと変えていった。
化け物と化した曹虎は必死に歪みの生じた時空の中に
取り込まれないように耐えていたが
「これで終わりだ!」
杜闑は化け物と化した曹虎に体当たりをし、
曹虎と共に歪みが生じた時空の中へと消え去った。
劉・小狼は化け物と化した曹虎が杜闑と共に歪んだ
時空の中へと消え去ったのを見て、龍聖丸を地面から抜こうとしたが
堅く、地面に突き立てる龍聖丸は抜く事が出来なかった。
『何故だ!……』
劉・小狼がそう思っていると杜闑らと同じように
劉・小狼は歪んだ時空の中へと引きずり込まれそうになった。
だが、その瞬間、劉・小狼の身体を関遼が歪んだ時空の中へと
引きずり込まれないように掴んだ。
しかし、歪んだ時空の勢いは止まらず、四仙獣らが
張った特殊な結界を縮めて、徐々に劉・小狼を
歪んだ時空の中へと引きずり込もうとした。
「あ、危ない!……」
郭瑜は劉・小狼の前に立ち塞がると劉・小狼の周りに
結界を張った。
郭瑜の必死に歪んだ時空の中へと引きずりこまれないように
耐えていたが徐々に郭瑜らは一人、また一人と歪んだ
時空の中へと引きずり込まれていった。
劉・小狼までその歪んだ時空の中に吸い込まれると
やっと、歪んだ時空の暴走は止まり、四仙獣らが
作り出した特殊な結界を飲み込み、歪んだ時空は閉じた。
四仙獣らは最後に残る力を振り絞り、劉・小狼が
突き立てた龍聖丸と共に辺りを封印し、その姿を消し去った。
舜炎と堯閣は辺りに自分らしかいなくなると
「こ、これからどうする?兄者!……」
と堯閣は舜炎に話しかけた。
劉・小狼は自分の作り出した歪んだ時空の中に吸い込まれ、
すぐに気を失っていた。
暫くして、劉・小狼は
「小狼さま…… 小狼さま……」
と言う声によって、目を覚ますと浮かんだまま、
彷徨っている劉・小狼の周りに郭瑜を含め、
全ての劉・小狼の仲間らがいた。
劉・小狼は起き上がると
「ここは?……」
と郭瑜に訊いた。
「さあ…… 時空の狭間かと……」
郭瑜は辺りを見回し、劉・小狼にそう答えた。
「そうか…… なら、まだやる事があるな……」
劉・小狼は郭瑜らにそう言うと辺りを見回した。




