第5章 10
「ああぁ…… 郭瑜よ。今の状況を説明せよ!」
劉・小狼は関遼らと交戦している化け物と化した曹虎を
横目で見ながら、郭瑜にそう言った。
郭瑜も横目で化け物と化した曹虎を見ながら
「は、はい……」
と言い、劉・小狼に今までの状況を説明した。
郭瑜から今の状況を聴いた劉・小狼は横目で
化け物と化した曹虎を再び、見ながら
「そうか…… だが、アイツはわしでも倒せぬ敵だ……
皆でもう二度とこの世界に現れないように封じるぞ!」
というとゆっくりと化け物と化した曹虎の方へと向かった。
だが、それでも化け物と化した曹虎は強く、
全員で曹虎の動きを止めるだけで精一杯だった。
少し、疲れて見えてきた関遼は
「これはきりがない……」
と呟くと関遼の傍に来た劉・小狼は
「すまないなぁ…… もう少しでアイツの力も
失われるだろうからもう少し頑張ってくれ!」
と言い、関遼の身体に触れた。
劉・小狼が関遼の身体に触れた途端、関遼の身体から
疲れが取れ、再び力が漲った。
劉・小狼は関遼だけじゃなく、他の者の疲れを取り、
再び力を漲らせた。
逆に徐々に化け物と化した曹虎に疲れが見えてきた。
『負ける……』
一瞬、そう思った化け物と化した曹虎は
突然、劉・小狼の前に自分の分身(影)を変化させた
水蓮を現させた。
「水蓮さま……」
孫嘉が目の前に突如、現れた水蓮に怯むと
『チャンス!……』
そう思うなり、化け物と化した曹虎は自分の影(闇)を伸ばし、
孫嘉の生命力を一気に吸い取った。
その途端、一気に孫嘉の身体から色が失せ、
孫嘉の身体は一気に消し飛んだ。
「孫嘉!……」
怒りに狂った張爛は孫嘉の仇をとろうと
化け物と化した曹虎へと向かっていった。
「くらえ!……」
張爛の攻撃が化け物と化した曹虎に
当たろうとしたその時……
張爛の前に化け物の曹虎が自分の分身(影)を
変化させた水蓮が突然、現れた。
『す、水蓮さま……』
張爛が一瞬、攻撃を躊躇うと化け物と化した曹虎は
『チャンス!……』
とばかりに自分の影(闇)を張爛へと伸ばし、
張爛の生命力を吸い取ろうとした。
劉・小狼が完全に張爛がやられた思い、絶望していると
「趙燕!……」
という声が何処からともなく、聴こえてきた。
劉・小狼らが声がした方を見るとそこには
地面に倒れこんで、叫んでいる張爛の姿があった。
趙燕は必死に微笑みながら
「張爛殿…… 後は任せましたよ!」
と張爛に言うと孫嘉と同じようにその身体を消した。
張爛は泪を流しながら
「趙燕!……」
と自分の身代わりとなり、消え去った趙燕の名前を呼んだ。
趙爛は自分が持っている武器を再び、強く握り、
化け物と化した曹虎を睨み付けると
「貴様!……」
と再び、化け物と化した曹虎に襲い掛かろうとした。
「張爛殿。お待ちなさい! 趙燕殿の死を無駄にする
おつもりですか?……」
と言い、張爛の前に郭瑜が立ち塞がった。
「郭瑜殿。どけ!…… 俺は趙燕の仇をとるんだから……」
張爛はそう言い、郭瑜を押し退け、趙燕の仇を
とろうとした。




