第5章 7
舜炎と堯閣の攻撃が劉・小狼の動きを止めていたのは
最初のうちだけだった。
更に気を溢れさせ、暴走し、舜炎らに迫ってくる劉・小狼を
舜炎と堯閣は防ぐのが精一杯だった。
徐々に圧倒的な力を持つ、劉・小狼の攻撃に
舜炎と堯閣は疲れていった。
それでも劉・小狼は舜炎と堯閣への攻撃は緩むことは
更に攻撃を仕掛けてきた。
ついに劉・小狼の攻撃が舜炎に当たらそうとしたその時……
劉・小狼と舜炎の間に郭瑜と関遼が現れ、
劉・小狼の攻撃を受け止めた。
「ここは任せたぞ!郭瑜殿……」
関遼は郭瑜にそう言うと劉・小狼と共にその場を離れた。
郭瑜は息が上がり、地面に倒れ込んだように座り込む
舜炎と堯閣に
「よくここまで頑張りましたね!…… ここは私らに任せて、
君らは水霞堯へと退きなさい!」
と言った。
「うるさいなぁ…… これは俺達の戦いなんだ。
手出しをするな!」
そう言い、立ち上がった舜炎は同じく、立ち上がった
堯閣と共に関遼と戦う、劉・小狼へと襲い掛かろうとした。
「全く、親子共々、頑固者なんだから……」
郭瑜はそう言うと舜炎と堯閣の周りに強固の
結界を張った。
「な、何をするんだ!」
郭瑜が作った頑丈な結界の中で暴れる舜炎と堯閣を
郭瑜はいとおしそうに見詰めながら
「お主らは明日への希望…… 民と共に生き残るのだ!」
と言うと不思議な呪文を唱え、舜炎と堯閣を水霞堯へと飛ばした。
郭瑜は水霞堯へと飛び去った舜炎と堯閣を見送ると
「これで良い…… さあ。隠れてないで出て来い!曹虎……
いや。全てを仕組んだ者よ!」
と言うと郭瑜の近くの空間が歪み、その空間の中から
曹虎が現れた。
歪んだ空間から現れた曹虎は
「バレたか…… だが、もう遅い…… もうじき、この世界は
我のもとに戻ってくる…… 今さら、邪魔はさせん!」
と郭瑜に言うと郭瑜に向けて、気の波動を放った。
郭瑜は咄嗟に張った結界で曹虎の放った
気の波動を交わすと
「貴方の思い通りにはさせませんよ!」
というと曹虎に向かって、無数の光の矢を放った。
曹虎は内なる闇の力で郭瑜の放った無数の光の矢を吹き消すと
「うるさいハエだ…… 格の違いを思い知らせてやろう!」
というと不思議な呪文みたいなモノを唱え、
零漸磁湖で死んでいる黄金に輝く龍(聖龍王)と
刻神と一緒になっている漆黒の龍(邪悪龍)の中に残る
自分の分身の闇の欠片を引き寄せ、取り込んだ。




