第5章 4
「私の前に現れた黄金に輝く龍(聖龍王)と
漆黒の龍(邪悪龍)は私に”私が護っている地に現れた闇を
退治してやろう!……
その代わり、この地を我らに差し出せ!”と
話を持ちかけてきた。
少し考えた私は二匹の龍の提案を受け入れる事にした。
すぐさま、二匹の龍は私が護っている地に現れた闇を
駆逐して行き、最後には小さな塊までにした。
そこまで闇を圧縮すると漆黒の龍はその闇を飲み込み、
胎内に封印した。
私は二匹の龍と約束した通りに私が護っていた地を
二匹の龍に明け渡そうとしたが二匹の龍は私が護っていた地に
あった湖に住み付き、それ以上、何も望まなかった。」
杜闑はさらに話を続けた。
「暫くは私はそのまま、その地に留まり、その地を護り続けた。
だが、そんな平和な日は長くは続かなかった。……
湖の底で黄金に輝く龍(聖龍王)と共に居るはずの
漆黒の龍(邪悪龍)が喰らった闇に身体を蝕まれ、
苦しさのあまり、湖から飛び出してきた。
苦しさのあまり、狂った漆黒の龍(邪悪龍)は
更に強大になった闇を吐き出しながら、私が護る地を荒らし回った。
漆黒の龍(邪悪龍)の所業を見兼ねた黄金に輝く龍(聖龍王)は
湖から飛び出し、狂ったように暴れる漆黒の龍(邪悪龍)に
向かっていった……」
「湖から出た黄金に輝く龍(聖龍王)は狂ったように
暴れまわる漆黒の龍(邪悪龍)と激しくぶつかりあいながら、
私が護る地を荒らしていった。
たちまち、私が護る地は黄金に輝く龍(聖龍王)と
漆黒の龍(邪悪龍)によって、荒野と化していった。
私は何とか、二匹の龍を止めようとしたが
到底、私がどうにかできるレベルの龍じゃなかった。
精根尽き果てた私に漆黒の龍の体内で増殖した闇が忍び寄ってきた。」
「私は何とか、闇に飲み込まれないようにしていたが
闇の進行は早く、私はたちまち、闇へと飲み込まれ、闇へと落ちた……
それでも二匹の龍の勢いは留まらなかった。
そして、私が護っていた地が完全に漆黒の龍(邪悪龍)が放つ、
闇に飲み込まれようとした時…… 何処からともなく、
4匹の獣を従えた、七色に光り輝く大鳥が現れた。
4匹の獣は私が護っていた地の四方に散らばると
七色に光り輝く大鳥は二匹の龍の上でその羽を大きく広げた。
七色に光り輝く大鳥の羽から降り注ぐ、七色の光によって、
二匹の龍はたちまち、動けなくなった。」
「七色に光り輝く大鳥でも漆黒の龍の体内から溢れ出る
闇を封じることは出来なかった。
闇を封じる事が出来ないと思った七色に光り輝く大鳥は
自分の力と私が護っていた地の四方に散らばった
4匹の獣の力を使い、二匹の龍と共に闇を私が護っていた地へと
封印することにした。
七色に光り輝く大鳥は4匹の獣と共に二匹の龍を
私が護っていた地へと封印することが出来た。
七色に光り輝く大鳥は4匹の獣を封印した二匹の龍の護りに残し、
何処かへと飛び去っていった。」




