第5章 2
四仙獣らは暴走する劉・小狼を持てる力で
暴走を食い止めるので精一杯だった。
自分の前に立ち塞がる四仙獣らに激怒し、
劉・小狼は更に気を暴走させ、自分を押さえ付ける
四仙獣らを気の波動で吹き飛ばした。
一段と気を放出し、暴走した劉・小狼は
小高い丘の上で様子を伺っていた四死獣らを睨み付けると
今度は四死獣らに歩みを進めた。
四死獣らも四仙獣らと同じように劉・小狼を仕留めようと
攻撃を仕掛けたが四死獣らの攻撃は気を放出し、
暴走する劉・小狼にはまるで効かなかった。
四死獣らは怯え、後ずさりしながら
「こ、これはいかん…… 我らにはどうする事も……」
と言うと姿が消していた荘仲は突然、四死獣らの後ろに現れると
四死獣らにそう言った。
荘仲は怯える四死獣らを怖い顔を見ながら
「もう、お前らは用済みだ!……」
と言うと鋭い爪で四死獣らを倒し、彼らの力の源の闇を吸収した。
四死獣らの闇を吸収した荘仲はその姿をグロテクな怪物へと
変化させると気を暴走させる劉・小狼へと襲い掛かってきた。
だが、四死獣らの闇を吸収し、化け物へと変化させた
荘仲でさえ、劉・小狼に攻撃を加えることが出来なかった。
苦戦のしている化け物と化した荘仲を見て、劉・小狼の上に
立ち込めていた黒雲の中から
「お主も苦戦をしているようだなぁ……」
という声と共に漆黒の龍が姿を現した。
邪悪龍の力を得た、化け物と化した荘仲は
更にパワーアップをし、劉・小狼に襲い掛かってきた。
邪悪龍の力を得た荘仲は気を暴走させる劉・小狼と
互角にやりあった。
劉・小狼は自分の前に立ち塞がる荘仲に怒りを更に爆発させ、
「返せ! 水蓮を……」
と言うと一段と気を放出させた。
だが、その劉・小狼が放出させた気はまるで生き物のように
上空に舞い上がると竜巻のように渦を巻き、劉・小狼のもとに
舞い降りると劉・小狼の身体に身に纏うかのように
劉・小狼の身体を覆った。
自分が気を身に纏った劉・小狼の身体はまるで黄金の鎧を
身に纏ったかのようだった。
気を身に纏った劉・小狼は地面から少し浮いた。
荘仲と一体化としていた邪悪龍は荘仲の影から現れると
黄金の鎧のように気を纏っている劉・小狼を見ながら
「と、刻神……」
と呟いた。
邪悪龍が劉・小狼にそう呟くと劉・小狼と荘仲の前に傷付き、
ボロボロな刻神が現れた。
「返せ!……」
劉・小狼はそう言い、荘仲の方へと歩き出すと
劉・小狼が歩いた後は空間がねじ曲がり、あったモノが
全て消滅した。
気を身に纏い、暴走している劉・小狼が動くと
劉・小狼が引き起こす闇は大きくなっていった。
ゆっくりと近付いてくる劉・小狼を見て、
邪悪龍は荘仲の全てを吸収し、荘仲の影から抜け出ると
「お前の身体を借りるぞ!……」
と言い、今度は近くにいた刻神へと乗り移った。
刻神は突然、自分に乗り移ってきた邪悪龍を
激しく拒絶をしようとしたが刻神にはどうする事も出来ず、
邪悪龍に身体を乗っ取られた。
完全に刻神の身体を乗っ取った邪悪龍は
「ここまで来て、わしの邪魔をされてたまるか!……」
と言うと劉・小狼へと襲い掛かってきた。




