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「どうしたら、彼女【水蓮】を助けられる?……」
劉・小狼は目の前に現れた劉・小狼の父・劉儀の幻に
そう訊いた。
劉・小狼の父・劉儀の幻は少し落ち込んだ表情で
『今はわからない!…… でも、必ず彼女【水蓮】を
助ける方法はあるはずだ!…… 今は一刻も早く力を
取り戻すのだ!……』
と言い残すとその姿をスーッと消し去った。
その後、直ぐに洞窟の入り口から
「おーい!食い物を持って、帰って来たぞ!……」
と言うと尭閣と舜炎の声が聞こえてきた。
尭閣と舜炎の看病によって、劉・小狼の調子は良くなり、
数日後、魔女と呼ばれる女性が率いる黒の一団が向かった
瑚叉峡【ごさきょう】へと向かった。
劉・小狼が瑚叉峡に到着すると辺りは焼け野原で
魔女の率いる黒の一団はすでに何処にもいなかった。
「なんだ! ここは?……」
劉・小狼が目の前に広がる風景に見とれていると
尭閣と舜炎も目の前に広がる風景を悔しそうに見詰めながら
「また、あいつ等、派手にやりやがって……」
と言った。
劉・小狼は瑚叉峡の更なる状況を知る為に尭閣と舜炎と共に
瑚叉峡の中へと向かった。
魔女の黒の一団によって、焼け野原と化していた。
「あいつら、派手にやりやがったなぁ……」
尭閣と舜炎はそう言いながら、劉・小狼を先導するかのように
瑚叉峡の中を奥へと進んでいった。
「奴らはここで何をやっていたのだ?」
劉・小狼がそう言うと突然、道端の茂みがガサガサと
音を立てて、動いた。
劉・小狼らは一斉に立ち止まり、その物音が動いた
道端の茂みに向かって、身構えた。
瑚叉峡の中の道端の茂みから現れたのは傷つき、
ボロボロの蒼琥だった。
「覚悟!……」
蒼琥も勢い良く、道端の茂みから飛び出し、劉・小狼らに
襲い掛かろうとしたが目の前にいるのが劉・小狼だと気付くと
慌てて、劉・小狼らに攻撃をするのをやめた。
蒼琥は劉・小狼の前に肩膝を付き、座り込むと
「お頭【かしら】! 良く、ご無事で……」
深々と劉・小狼に頭を下げた。
劉・小狼は龍神眼の柄に手をかけていたのを外すと
「蒼琥よ! 私がいない間に何が起こったのだ?
説明をせい!……」
蒼琥に事情を説明するように言った
「実は…… 水蓮さまは頭【かしら】らが
深き闇のところに行った後に頭【かしら】らを追って、
深き闇がいる洞窟へと向かったのです…… だが、水蓮さまが
深き闇がいる洞窟に着いた時にはすでに洞窟の入り口は
大きな岩に塞がれていて、洞窟の中に入ることが
出来なかったのです…… でも、諦めることが出来ない水蓮さまは
時ある事に深き闇がいる洞窟へと脚を運んだのです。
頭【かしら】らに逢いたい一心で…… そんなある日の事です……
水霞曉の辺りに大きな地震が起きたのです……」
蒼琥は劉・小狼に今まで起こったことを話し始めた。