第4章 11
零漸磁湖から出てきた黄金に輝く龍(聖龍王)は
零漸磁湖の畔にいて、劉・小狼のことを抱き締める水蓮に
「わしを呼んだ者よ! わしに何の用だ?
何でも望みを叶えてやるぞ!」
と話しかけてきた。
「えっ? 本当?……」
水蓮は驚いた顔で見詰めながら、黄金に輝く龍(聖龍王)に
そう言うと
「ああぁ。なんでも望みを叶えてやるぞ!
だが、その為にはお主の命か、お主の大事な者をもらうぞ!
それでも良いか?……」
その龍(聖龍王)は水蓮にそう言った。
水蓮はどうしようか、劉・小狼のことを悲しげに見詰めた。
四死獣らは大方、龍炎軍の兵を殺すと劉閣が護る
陣へと進攻した。
四死獣らがまさに劉閣が護る陣へと攻め込もうとした
その時……
「さ、させるか!……」
四死獣らの前に四仙獣らが立ち塞がった。
「じゃ、邪魔をするな!……」
四死獣らは武器を振りかざし、それぞれ、四仙獣らに
襲い掛かった。
「貴様らの思い通りにはさせるか!」
四仙獣らも四死獣らを向かい撃つべく、四死獣らと
同じように武器を構えた。
その頃、零漸磁湖にいた水蓮は黄金に輝く龍(聖龍王)の
問いかけに
「お、お願い…… この人を助けて!」
と気を失っている劉・小狼のことを見詰めながら、
そう言った。
黄金に輝く龍(聖龍王)は水蓮のことを見詰めながら
「ほ、本当に良いのか?……」
と水蓮に聴いた。
水蓮は動かない劉・小狼のことをジッーと見詰めながら
「良いわ…… この人が助かるなら……
私はどうなっても……」
と言うと立ち上がり、黄金に輝く龍(聖龍王)の
前に手を広げて、立ち塞がった。
「良かろう! お主の望みを叶えてやろう!」
黄金に輝く龍(聖龍王)はそう言うと水蓮に目掛けて、
襲い掛かり、水蓮を一飲みにした。
暫くして、劉・小狼が目覚めると自分の傍にいたはずの
水蓮の姿は何処にもなかった。
「お~い!水蓮。何処にいるんだ?……」
劉・小狼は水蓮の名前を叫びながら、辺りを見回し、
水蓮のことを探した。
そんな劉・小狼の姿を黄金に輝く龍(聖龍王)は
ジッーっと見詰めていた。
劉・小狼はそんな黄金に輝く龍(聖龍王)に
「ここにいた者に何をした!……」
と言い、龍牙神を黄金に輝く龍(聖龍王)へと構えた。
「たわけ! 愚か者!……」
黄金に輝く龍(聖龍王)がそう言い、
黄金に輝く龍(聖龍王)の目が光ったかと思うと
劉・小狼が持っていた龍牙神はまるで鉛のように重くなり、
とても持てなくなった。




