第4章 5
「だ、大丈夫か?……」
関遼の前に舞い降りた劉・小狼は関遼にそう言うと
「ああぁ…… 何ともない!」
関遼はそう言うと態勢を整えた。
「じゃあ。行くか?……」
劉・小狼はそう言うと関遼と共に些迅関へと
襲い掛かってきた張爛と庖悦に向かっていった。
劉・小狼は関遼を助けつつ、張爛と庖悦を打ち倒した。
「ここは片付いた。 些迅関へ戻ろうか?」
劉・小狼は関遼にそう言うと打ち倒した張爛と庖悦を連れ、
関遼と共に些迅関へと戻った。
些迅関に入った劉・小狼は龍牙神の力を使い、
関遼らをもとに戻し、ついに水蓮(魔女)以外は
仲間達を取り戻した。
関遼らの仲間を取り戻したとは言え、
以前、強大な力を持つ、魔女(水蓮)がいる限り、
劉・小狼はまだ安心できなかった。
だが、龍炎軍の動きが気になった劉・小狼は
些迅関に関遼らを護りに残し、杜闑と共に
劉閣が護る陣へと戻った。
しかし、魔女(水蓮)は劉・小狼がいjなくなった
些迅関を攻めることなく、まるで劉・小狼を
求めるかのように劉・小狼の後を追いかけた。
魔女(水蓮)の動きに気付いた関遼は
『これはまずい!……』
張爛らに些迅関を任せると慌てて、劉・小狼の
後を追いかけた。
劉・小狼が杜闑と共に劉閣が護る陣へと近付いた
その時……
何処からか、透き通った笛の音が聴こえて来た。
『なんだ?この笛の音は?……』
劉・小狼は立ち止まり、辺りを見回し、
その笛の音の主を探した。
杜闑は突然、立ち止まった劉・小狼を不思議そうに
見詰めながら
「ど、どうした?……」
と聞いてきた。
どうやら、劉・小狼に聴こえている笛の音は杜闑には
聴こえていないようだった。
「いや。何でもない……」
劉・小狼はそう言い、再び歩き出そうとしたが
その笛の音はまるで劉・小狼を呼び止めるかのように
響き渡っていた。
劉・小狼は不信がる杜闑と別れると笛の音の主に
誘われるかのようにその笛の音が聞こえる方へと歩き出した。
笛の音に誘われて、劉・小狼が
近くの湖・零漸磁湖にやって来た。
だが、そこにいたのは水練(魔女)だった。
『え? 水蓮?……』
劉・小狼がまた、再び水蓮に逢えたことに嬉しがり、
笛を奏でる水蓮(魔女)に近寄ろうとしたが
劉・小狼は水蓮(魔女)の奏でる笛の音で暫く、
その場から動く事が出来なかった。
水蓮(魔女)は笛を奏で終えるとすぐ近くに
劉・小狼がいることに驚き、逃げるように
その場から立ち去った。
劉・小狼はそんな水蓮に声をかけることが出来なかった。




