第4章 4
劉・小狼らが些迅関を出た頃、張爛と庖悦が
魔女(水蓮)がいる水霞曉へと戻った。
張爛と庖悦は魔女(水蓮)に関遼までが裏切ったことを
告げると魔女(水蓮)は激怒し、水霞曉に残る魔女の兵を
自ら率いて、些迅関へと向かった。
そんな些迅関の異変を感じ取った杜闑は 劉・小狼のもとに
やって来て、
「(些迅関に)忘れ物をしたから一旦、陣をはなれます!」
と言い、些迅関へと戻った。
その頃、些迅関には魔女(水蓮)が自ら率いた魔女の兵が
すぐ、そこまで迫っていた。
些迅関の留守を護っている孫嘉は魔女の軍を迎え撃つべく、
迎撃態勢を整えた。
杜闑が些迅関に到着する寸前に魔女(水蓮)が率いる魔女軍が
些迅関の近くへと到着した。
魔女は陣を布くことなく、すぐさま、些迅関の攻撃へと開始した。
些迅関の留守を護る孫嘉は一人で魔女軍の攻撃を受け止めるが
次々と些迅関に迫ってくる魔女軍を食い止めることが出来ずに
徐々に魔女軍に防衛ラインを突破されていった。
龍炎国軍と向かい合う位置に陣を布いた劉・小狼は
些迅関の留守を護る孫嘉の窮地を感じ取り、
陣を劉閣に任せると郭瑜らと共に急いで些迅関へと戻った。
もう少しで些迅関の城門が魔女軍に破られそうになった
その時……
些迅関に迫る一騎の騎馬武者(関遼)があった。
その騎馬武者は些迅関の城門に迫っていた魔女軍を
蹴散らすと些迅関の城門に立ち塞がった。
関遼が魔女軍を退けたその時、杜闑が些迅関に到着した。
杜闑は些迅関を護る孫嘉のもとに急いでやって来ると
「だ、大丈夫ですか?……」
孫嘉にそう言うと城壁の上から城門の前に立ち塞がっている
関遼を見詰めながら、
「ええぇ…… 危ない所を彼(関遼)に助けて
もらいましたから……」
と言った。
「それは良かった……」
杜闑は関遼が身を挺して、些迅関を護ったのを孫嘉と喜びつつ、
関遼がまた再び魔女側に寝返るんじゃないかと不安を抱いていた。
関遼のお陰で一旦は魔女軍の些迅関の攻撃は止んでいたが
すぐに張爛と庖悦によって、些迅関の攻撃は始まった。
杜闑と孫嘉は城門の前で些迅関を護っている関遼を助けつつ、
些迅関の守りを固めた。
だが、張爛と庖悦の二人は強く、杜闑らだけじゃ、
些迅関を護り抜くことができなかった。
「こ、これまでか?……」
杜闑らが諦めかけたその時……
些迅関の上空から舞い降りる人影らがあった。
間遼の前に舞い降りた人影の一人は剣圧によって、
些迅関へと迫っていた張爛と庖悦を退けた。
関遼の前に現れたのは些迅関へと戻ってきた
劉・小狼だった。




