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劉・小狼が目を覚ますとそこは何処かの洞窟の中だった。
目の前には心配そうに尭閣と舜炎が劉・小狼のことを
覗き込んでいた。
「だ、大丈夫か?……」
尭閣は劉・小狼にそう声をかけた。
「ああぁ…… ここは?……」
劉・小狼は体を起こして、自分が今いる場所を
訊こうとした。
舜炎は劉・小狼の体を押さえつけると
「まだ、寝ていろ!……」
と言った。
「ここは貴様が道で倒れた近くの洞窟だ!……」
尭閣は劉・小狼を気づかうようにそう言った。
劉・小狼はやはり、体を起こすと
「すまないがこの世界の事を教えて欲しいのだが……
何も知らなくて……」
尭閣らにそう言った。
尭閣と舜炎は顔を見合わせると
「良いぞ!…… 遥か、昔にこの世界には深い闇という
邪悪があった。だが、突然、現れた光の戦士らによって、
深い闇は倒され、何処かの洞窟へと封印された。」
尭閣は劉・小狼にそう話した。
劉・小狼はそんな尭閣の話を聞きながら
『それは俺の話だ!…… そんなことはどうでも良いんだ。
その後、この世界はどうなったんだ?』
と思っていた。
「暫くは平和だったこの世界が何処から突然、現れた
あの魔女によって、再び、暗黒の世界に
引き戻された。」
尭閣は更に劉・小狼に話しかけた。
「だが、魔女が現れて、間もなくして、
また何処からともなく、魔女に対抗する光の戦士らが現れ、
魔女に挑んだ…… だが、魔女の怪しげな魅力に次々と
光の戦士らは魔女の仲間になっていった。」
舜炎は哀しげな顔で劉・小狼に話しかけた。
「私らの両親も魔女らによって、殺された!
この世界には俺達みたいな者が多い!」
尭閣はそう劉・小狼に呟いた。
『そうだったんだ!……』
劉・小狼は初めて、尭閣と舜炎があの魔女という女性が
原因で孤児になったことに驚き、思わず、俯きながら
「す、すまん!……」
と呟いた。
尭閣と舜炎は劉・小狼から顔を背けると
「な、なんでお前が謝るんだよ!……
もう少し、寝ていろ!…… 俺達は何か、食べ物を
探してくるから……」
気まずそうに洞窟から出て行った。
『一体、あの魔女は誰なんだ?……
あの魔女は水蓮なのか?』
劉・小狼はそんな事を思いながら、
再び、深い眠りに付いた。
『息子よ!……』
劉・小狼に語りかける劉・小狼の父・劉儀の声が
聞こえてきた。
「と、父さん!……」
劉・小狼が目を覚ますと劉・小狼の腰に携えていた
龍神眼が輝いていた。
その龍神眼の光から劉・小狼の父・劉儀の幻が現れた。
『息子よ!…… 再び、深き闇が動き出したようだ……
今度はお前の大事な人も深き闇に取り込まれたようだ……』
劉・小狼の父・劉儀の幻は劉・小狼に愛しい水蓮が
深き闇に取り込まれたことを告げた。