第3章 12
大きな羽を持った褐色の化け物は自分のように浮き上がった
劉・小狼らに驚きながらも
「憎たらしい奴らめ!」
と鋭い爪で劉・小狼らに襲い掛かってきた。
だが、飛空石を体内に入れた劉・小狼らは
褐色の化け物の攻撃をまるで羽が生えたかのように
軽々と交わし、逆に褐色の化け物に攻撃を仕掛けた。
褐色の化け物も大きな羽を巧みに羽ばたかせ、
劉・小狼らの攻撃を交わした。
「煩いハエどもだ!」
褐色の化け物は劉・小狼らを払い除けたが劉・小狼らの攻撃を
下で見ていた杜闑は褐色の化け物の真下から真っ直ぐに急上昇し、
褐色の化け物を持っていた剣で真っ二つにした。
真っ二つになり、地面に落ちた褐色の化け物は燃え、
灰となり、消え去った。
褐色の化け物を倒した劉閣らは些迅関らは前にいる
魔女の兵を劉・小狼の仲間にすべく、劉・小狼らとわかれ、
些迅関の前にいる魔女の兵の元へと戻った。
劉・小狼は杜闑と共に些迅関へと戻ると些迅関は
劉・小狼が些迅関と離れる時と何も変わってなかった。
劉・小狼が些迅関に戻った頃……
劉閣も蒙虎と共に些迅関の前に陣を張っている
魔女軍の元に戻ってきた。
劉閣と蒙虎が些陣関にいる魔女の兵を劉・小狼の
仲間にしようとその時……
劉閣らの魔女軍のもとに関遼が現れた。
劉閣と蒙虎の前に現れた関遼は
「ああぁ…… ここは劉閣殿が率いる魔女軍でしたか?」
と劉閣に話しかけてきた。
劉閣はまだ、魔女の配下のふりをし、
「どうかしたのだ? 関遼殿?」
関遼に話しかけた。
だが、関遼は劉閣と蒙虎がいつもと違うのに気付き、
誤魔化すかのように
「ええぇ…… 一緒にいた郭瑜と下の方で逸れてしまい……
良かったら、この軍に置いて頂けると嬉しいのですけど……」
と劉閣らに言ってきた。
『えっ?……』
関遼の一言に劉閣と蒙虎はびっくりして、お互いに
顔を見合わせた。
劉閣と蒙虎は一刻も早く、魔女の兵を纏め、
些迅関にいる劉・小狼の元に向かいたかったが
関遼がやって来たことでそれはできなくなった。
しょうがなく、劉閣は陣内に関遼を置き、監視つつ、
蒙虎に魔女の兵を取り込みに掛かった。
劉閣と蒙虎のことに気付いているのか、関遼は蒙虎から離れず、
常に一緒にいる為、中々、魔女の兵を自分らの仲間に
取り込むことが出来なかった。
夜に劉閣のもとで蒙虎は少し苛立ったように
「劉閣。どうするんだよ? このままだと、些迅関で待っている
弟の小狼殿の所にいつまで経っても行けぬぞ!
アイツをどうにかせぬと……」
と言ってきた。
「そうだなぁ……」
劉閣が腕組みをして関遼をどうするか、考えていると
劉閣らが中々、些迅関にやって来ないことを心配した杜闑は
「どうなされたのですか?……」
と闇の中からその姿を現した。




