第3章 3
劉・小狼は趙燕と孫嘉と共に蕪怨璽の手勢を片付けると
蕪怨璽を討ち取り、郭瑜が制圧した些迅関の門の前に立った。
すぐに些迅関の門は開き、中から郭瑜が
「お見事です!……」
と言い、出てきた。
劉・小狼はゆっくりと郭瑜の前に進むと
「些迅関の様子は?……」
郭瑜に些迅関の様子を訊いた。
郭瑜は劉・小狼に向かって、深々と頭を下げると
「些迅関の制圧は終わっております!まずは中に……」
と言い、劉・小狼らを些迅関の中へと招き入れた。
劉・小狼らは郭瑜に案内され、些迅関内の一室へと通された。
劉・小狼はその部屋にある椅子に腰掛けると
「さて!郭瑜。 この些迅関をどう護る?……」
郭瑜に訊いた。
郭瑜は部屋の中央にある長机の上に置かれている
些迅関の周辺の地図を持っていた扇子らしきモノで
指しながら
「この些迅関は周辺を高い山々に囲まれている天然の要塞です。
この些迅関にやって来るにはほぼ目の前にあるこの小さな橋を
渡ってくるしかないでしょう!…… この橋を我らが死守できれば、
宜しいでしょうかと……」
劉・小狼に言った。
趙燕は郭瑜が扇子らしきモノで指している些迅関の周辺の地図を
覗き込むように見詰めながら
「相手もそのことは良くわかっていて、我らがこの些迅関を
制圧したと知れば、精鋭部隊をここに差し向けるのでは?」
郭瑜に言った。
郭瑜は地図を見ながら
「多分、そうでしょうね!…… ですから、相手の飛び道具は
私と孫嘉殿で結界【バリア】を張って防ぎます!
趙燕殿と小狼様は協力して、両門から押し寄せる魔女の軍勢に
当たって欲しいのです!」
と言った。
「そんな作戦だとここは瞬く間に魔女に攻め落とされるぞ!」
突然のそんな声に劉・小狼らが声の方を向くと
そこには倒したはずの杜闑【とげつ】が立っていた。
突然、目の前に現われた杜闑に劉・小狼らが
一斉に身構えると
「ま、待って!わしは敵ではない!……」
杜闑は両手を上げ、劉・小狼らに近付いて来た。
劉・小狼は杜闑に敵意がないことに気付き、構えを解き、
「確か、お前【杜闑】は私らが倒したはずだが……」
驚いた顔で杜闑のことを見詰めた。
「確かに私は貴方らに倒された。 私も何で復活したのか、
わかんが…… もしかしたら、貴方【劉・小狼】がわしを
復活したのかも?……」
杜闑はそう言うと劉・小狼らが見ている些迅関の周辺の地図を
覗き込んだ。
まだ、半信半疑の郭瑜は杜闑に
「復活して、今まで何処にいたのですか?……」
と訊いたが杜闑は些迅関の周辺の地図を覗き込んだまま、
「水霞曉の周辺を彷徨いながら、魔女という者を調べていた……」
郭瑜に言った。




