第3章 2
魔女の手下だった郭瑜のことがまだ信用できない
堯閣だったが劉・小狼が頼むとしょうがなく、
堯閣は再び、朱雀の護る地へと向かった。
劉・小狼は些迅関に向かう途中、
「どうやって、些迅関を攻めるのだ?」
郭瑜に聞いた。
「まあ。堯閣殿が調査したことが真実なら、
些迅関には然したる兵はいません…… 正攻法で攻めても
攻め落とせると思いますが…… ここはまずは私が些迅関へと
潜入した後に小狼様達が些迅関を攻めましょう!」
郭瑜は劉・小狼にそう言った。
その話を聞いていた孫嘉は
「敵が些迅関を出た後で郭瑜殿が内から些迅関を
制圧するのですね?……」
と言うと郭瑜は頷きながら
「いかにも…… 内と外で一気に敵を殲滅しましょう!……」
と言った。
些迅関まで来た劉・小狼らは近くの茂みへと隠れると
郭瑜が些迅関の門へと向かった。
「些迅関の蕪怨璽殿!郭瑜です。 水霞曉に戻りたいのですが
通してもらいませんか?……」
些迅関の門の前に立った郭瑜は些迅関内に
聞えるように叫んだ。
郭瑜の声を聴き、些迅関の門の上に出てきた蕪怨璽は
「どうなされましたか? 郭瑜殿がこんな所で一人で……」
郭瑜に話しかけてきた。
「まことにお恥ずかしいことに…… 乗馬中に馬から落ち、
河に流されてしまったのです…… 水霞曉に帰りたいのですが
通してもらいませんか?」
郭瑜がそう言うとすぐさま、蕪怨璽は郭瑜の言葉を信じて、
些迅関の門を開けた。
劉・小狼は郭瑜が些迅関の中に入ったのを確認すると
「さあ。行くぞ!……」
と言い、趙燕と孫嘉と共に些迅関へと攻めかかった。
突然の劉・小狼らの襲撃に驚いた蕪怨璽は些迅関の門を
堅く閉ざし、些迅関に立て篭もろうとしたが郭瑜が蕪怨璽に
「敵は数人です! ここは些迅関から出て、
敵を生け捕るのが宜しいのでは?……」
囁き、進言した。
「そ、そうですね!……」
魔女【水蓮】の信頼も厚い、郭瑜の進言に蕪怨璽は頷き、
郭瑜の進言どおりに些迅関から出陣した。
劉・小狼を生け捕ろうと些迅関から出てきた蕪怨璽と
その手勢だったが到底、彼らが敵う相手じゃなく、
瞬く間に蕪怨璽の手勢は壊滅状態になった。
『これはいかん! 些迅関に戻らないと……』
蕪怨璽は自分の手勢と共に些迅関へと引き返した。
蕪怨璽が些迅関の門の前まで来たが些迅関の門は
一向に開こうとしなかった。
「何をしておる! わしだ。門を開けよ!」
蕪怨璽は些迅関の門の上を見上げながら、大声で叫んだが
そこに現われたのは蕪怨璽が些迅関を護るために
残した魔女の兵じゃなく、郭瑜だった。
蕪怨璽は郭瑜の姿を見た瞬間、自分が裏切られた事を知った。




