第2章 11
劉・小狼が祭壇に置いてある槍先と扇子らしきモノに
手に入れようとしたその時……
ドーン……
というもの凄い音と共に劉・小狼と堯閣がいる
化け物の腹の中が大きく揺れた。
その頃…… 外では郭瑜が砂蛇の攻撃を交わしながら、
砂蛇に攻撃を加えていた。
砂蛇が随分、弱ってきたのを見た郭瑜は砂蛇と
少し距離を取ると
「そろろそ、トドメを刺すか!……」
と言うと砂蛇に向かって、矢を射掛ける構えをした。
そのまま、郭瑜は気を集中すると光の弓矢を形成し、
砂蛇に向かって、光の矢を放った。
郭瑜の放った光の矢は砂蛇に命中し、貫いた。
グワァ……
もの凄い断末魔と共に砂蛇は崩れるように
その場に倒れ込んだ。
その場に倒れた砂蛇は砂の造形物が風で
崩れ去るように跡形もなく、消え去った。
その砂蛇のお腹の辺りからは結界【バリア】に
包まれた劉・小狼と堯閣が現われた。
郭瑜は砂蛇のお腹の辺りから現われた劉・小狼らを見て、
ホッとしたのか、それとも気を使い果たしてしまったのか、
崩れるようにその場に座り込んだ。
自分らの周りを覆っていた結界【バリア】が消え去り、
目の前の郭瑜の姿を見た堯閣は
「貴様!……」
と言い、郭瑜に襲いかかろうとした。
その時、劉・小狼の後ろの祭壇のような上にある
扇子らしきモノが輝き出し、郭瑜のもとへと飛んでいった。
郭瑜に襲い掛かった堯閣は寸前のところでその動きを止め、
劉・小狼の方に振り返り
「何故、止める!こいつは俺と舜炎の敵なんだぞ!……」
と言い、睨み付けた。
「それはわかっている!…… だが、そいつがわしらを
助けたのも事実だぞ!……」
劉・小狼がそう言うと堯閣は渋々、郭瑜への攻撃をやめた。
それと同時に郭瑜の手に劉・小狼の後ろにある
祭壇から飛んでいった扇子らしきモノが収まった。
うわぁ……
郭瑜は悲鳴と共に光に包まれた。
扇子らしきモノを持ったまま、郭瑜はその場に肩膝を付いて、
崩れるように座り込んだ。
暫く、劉・小狼と堯閣が様子を伺っていると
郭瑜は何事もなかったかのように立ち上がり、自分の胸の前に
扇子らしきモノを広げた。
堯閣は郭瑜のそんな態度に素早く、身構えたが
劉・小狼は至って、冷静に郭瑜に近づくと
「大丈夫か?郭瑜……」
郭瑜にそう言った。
郭瑜は自分の胸の前に広げた扇子らしきモノで
自分のことを仰ぎながら
「はい。大丈夫です!私より小狼さまこそ、
大丈夫ですか?……」
逆に劉・小狼にそう言ってきた。
劉・小狼が魔女の配下の郭瑜と親しげに話すことに驚いた顔をし、
劉・小狼と郭瑜のことを見詰めた。




