第2章 10
劉・小狼は辺りを見廻しながら、
「今の居場所がわからないから単独では無理かな?……」
と言った。
「わ、わかりました!…… こちらで本体の方を
探して見ましょう!」
郭瑜は劉・小狼にそう言うと劉・小狼との会話を終えた。
「さて!これからどうするかな?」
郭瑜は目の前の井戸を見詰めながら、腕組みをし、
考え込んだ。
堯閣は劉・小狼に
「これからどうするんだ?……」
と訊いて来た。
「さっきの奴が誰か、わからないが我らの方でも
出口を探そうか?」
劉・小狼は堯閣にそう言うと出口を探し、歩き始めた。
郭瑜は大きくため息をつくと
「フゥ~…… まずは敵を炙り出すか?」
そう呟き、三度、不可思議な呪文を唱えた。
「さて!どんなモノが現われるかな?」
郭瑜はそう言うとしゃがみ、片手を地面につき、
手の平から一気に気のエネルギーを放出した。
郭瑜の手から放たれた気のエネルギーは地を走り、
目の前の井戸の周囲を駆け抜けた。
ギャアァ……
悲鳴に似たもの凄い呻き声と共に郭瑜がいる
井戸の周りに地響きと共に地面が激しく揺れ始めた。
暫くして、地面の揺れが収まると
ドーン……
というもの凄い音と共に地面から巨大ミミズのような
化け物が郭瑜の前に現われた。
郭瑜は目の前に現われた巨大なミミズの化け物を
見詰めながら
「やっぱり、砂蛇【さじゃ】か?……」
と言った。
郭瑜の気のエネルギーをまともに喰らった
巨大なミミズの化け物は怒り狂い、
目の前の郭瑜に襲いかかろうとしていた。
その頃…… 劉・小狼と堯閣は巨大なミミズの
化け物の中で出口を探し、彷徨っているうちに
少し広い場所へと出た。
その少し広い場所の奥には祭壇のような物があり、
その上には槍先と扇子らしきモノが大事に置かれてあった。
『何だ? あれは?……』
劉・小狼が目の前の祭壇の上に置かれている槍先と
扇子らしきモノを見詰めているとそのモノに
まるで共鳴するかのように劉・小狼の腰に携えていた
龍牙神が淡く、輝き始めた。
『汝【なんじ】を呼び覚ます者は誰だ?……』
突然、劉・小狼にそんな声が聞えてきた。
「だ、誰だ?……」
劉・小狼は腰に携えている龍牙神を抜き、
身構えようとしたがそれが出来なかった。
『汝は我の主か?…… それとも我を主のもとに
導く者か?……』
その声は劉・小狼にそう話しかけてきた。
劉・小狼が答えに困っていると突然、劉・小狼が
腰に携えている龍牙神が再び、光り出し
『我は汝らと元々は一つだった物……
我は汝の力を借りたくて、ここに訪れた。
闇を打ち払う為に我に力を貸してくれ!……」
まるで目の前にある槍先と扇子らしきモノに
話しかけるように話してきた。




