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仙龍創乱2  作者: 劉・小狼
第1章
12/64

 12

 趙燕と孫嘉がその場に倒れて、動かないのを見て、

朱雀は劉・小狼に近寄ってきて、

 「だ、大丈夫か?……」

 と話しかけた。

 劉・小狼は全ての力を使い果たし、崩れるように

その場に片膝を付き、座り込みながら

 「ああぁ…… 私は大丈夫だ! それよりアイツらを

見てやってくれ!……」

 朱雀に趙燕と孫嘉のことを見てやるように言った。

 「ああぁ。わかった!……」

 朱雀は劉・小狼にそう言われ、急いで趙燕と孫嘉のもとに

向かった。

 趙燕と孫嘉の様子を見た朱雀は一目で二人の様子が

普通でないことに気が付いた。

 朱雀の居城・鳳臥関に戻った劉・小狼は

趙燕と孫嘉の様子が気になり、朱雀に彼らのことを訊いた。

 朱雀は気を失っている趙燕と孫嘉のことを見ながら、

 「まあ。体力を相当、消耗しただけで別段、問題はないだろう!

 数日したら、元気になるだろう?……」

 劉・小狼に言った。

 事実、数日で趙燕はすっかり良くなった。

 「すみません。 私とあろう者が頭【かしら】に

刃を向けるとは……」

 すっかり、元に戻った趙燕は片膝を付き、劉・小狼に

申し訳なさそうに謝った。

 だが、それとは対照的に孫嘉は数日、経っても

目を覚ますことはなかった。

 「どうして、孫嘉は目覚めないのだ?……」

 劉・小狼は今だ、目覚めない孫嘉のことを朱雀に訊いた。

 朱雀は孫嘉に手を翳し、孫嘉の様子を見ながら

 「どうやら、闇の呪縛が解けていないようだな……」

 と言った。

 「どうしたら、良いのだ? 朱雀!……」

 劉・小狼が朱雀にそんなことを尋ねていると劉・小狼がいる

鳳臥関から遥か、離れた魔女【水蓮】の本拠地・水霞曉から

魔女は劉・小狼がいる方を切なそうに見詰めていた。

 蒼色の仮面を被った髭を生やした男【関遼】が

そんな魔女のもとにやって来た。

 蒼色の仮面を被った関遼は外の風景を見詰めている

魔女【水蓮】の後ろに立つと

 「魔女殿。朱雀の護る南方に差し向けた兵が

朱雀に加勢した者らのせいで全滅したみたいです!……

これからどういたしましょう?」

 魔女にそう伝えた。

 魔女は関遼の方に振り返ることなく、

 「そうですか…… なら、もう南方の方は良いです!

また、邪魔が入らないうちに他の所の攻略を急いでください!」

 関遼に言った。

 「はい。……」

 関遼は魔女に向かって、一礼をするとその場を 後にした。

 中々、孫嘉は目を覚まさなかったが暫くすると


 『目覚めなさい! 我が、しもべよ!』


 という声と共に夜に突然、目を覚まし、鳳臥関の中を徘徊し、

鳳臥関の中にいる傷ついた者達を次々と襲い始めた。

 劉・小狼と朱雀はそのことにすぐに気付き、孫嘉のことを

止めようとするが孫嘉の多彩な術によって中々、孫嘉を止めることが

出来なかった。

 「小狼! このままだと全滅するぞ!……

あの者を倒すしかないぞ!」

 朱雀は劉・小狼に鳳臥関の中を暴れ廻っている孫嘉を

倒すように進言した。

 「そ、それは……」

 劉・小狼は目の前を暴れ廻っている孫嘉を見た途端、

孫嘉との思い出を思い出し、孫嘉を討つことを躊躇った。


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