童化と英傑
「語るに落ちたな。この愚か者めぃ」
「はぁ、はぁ。まさかここまで追い詰められるとは、流石としか言いようがないな」
「童の姿でいる私をそんな邪な目で見ているとは、よもやお主変態かぃ?」
「変態じゃない!ロボコンだ!」
「ほう、お主は機械都市で作られた変態機巧体だったかぃ」
「訂正する!ロリコンだ!」
「大して変わらんような気もするが、まぁよい。私も私でこの余興には飽きたわぃ」
「よ、余興だと?」
「いや……茶番、とでも言うべきかぃ」
「この世界をこれ程までに破壊したことが茶番だっていうのか!!」
「いやいや。それは歴とした結果であって、過程ではないわぃ。いうなれば、この世界のこの有り様は成るようになったわけであって、今、この瞬間の過程、すなわちお主と私の命のやりとりなんかはただの茶番劇にしか過ぎないわぃ」
「な……んだ……と……………………っ!?」
「まぁ詰みにかかった勝負だからこそ言ってやるわぃ。お主、いや、全ての騎士達にも言えるが、この戦いはな不毛なんだわぃ。不毛であり無力であり矛盾こそがお前たちが望む平和というやつだわぃ。それでもお主達騎士は世のため人のためと言うが、それが本当に世界が求むものか?少しは私の生足を見る暇があれば、この戦争の行く末に目を向けてみたらどうだぃ」
「不毛?無力?矛盾?戦争の行く末?………………はっ!!ごちゃごちゃごたくを並べて僕を惑わすようなことするじゃないかカリマルラ・ストイシス!!」
「惑わす??……ふっ。やはりお主のような若造には世界の在り方なんぞ説教たれるのは間違いだったかぃの」
「うるさい!お前達魔神の話なんてこれっぽっちも聞く気なんてあるわけないだろ。僕が今見るべきものはお前の生足じゃなくて、お前のその手で壊してきたものだけだ」
「ふんっ、まぁいいわぃ。それまた人が人である由縁か……。」
「カリマルラ・ストイシス。僕は君のことを傷つけたくはない。けれど、どうしても戦わなければいけないのか?」
「それがお主達の『選択』なら仕方ないわぃ」
「……………………………………っ!いくぞ!!魔神」
「ふふっ。最初から最後までお主は自身の『選択』は出来なかったが、まぁいい。私は私の役割を果たすまで!!」
「うぉぉぉぉお…………っ!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ……っ!」
「……やはりな。やはりお主だったか。我が…………は」
「…………さよならだ。カリマルラ・ストイシス」
「世界に導きがあらんことを………………だわぃ」
このあとすぐに世界は救われた。
僕達騎士が救ったのではない。
救ったのは……、あの人だ。
この話で第一章は終了です。
最後は語るのではなく、あえてシンプルに二人の会話と立ち位置を確認するものにしています。
なので、あまり読みごたえはないので、ひょっとするとここで読むのをやめる方も少なからずいらっしゃるかもしれません。
しかし、前にも書いていた通り。
僕はプロでもなければ一流作家でもありません。
なので、構想も考えていませんし、結末なんてものも一つも思い浮かんでいません。
強いていえば、これは英傑と魔神が生み出す疑問と矛盾を解消させたい、ただそれだけです。
しかし、あまりにもテーマが暗いからと登場人物まで暗くするのはあまり好きではないので、基本的にはお馬鹿な展開を用意したいという気持ちもあります。
けど、今後はもう少しファンタジー的な戦闘描写と世界観の全貌を掘り下げていきたいと思っています。
まぁ、結局のところ僕は我が儘な人間ですので、この作品でやれることは全部やるつもりです。笑
けど、出来るだけ読んで頂く方が納得してくれるものにしたいとは常々思っています。
というわけで、ライトニング・インフィニティ第一章如何だったでしょうか?
つまらぬ!も良し。ちょい笑!も良し。ちょいエロ!も良し。ちょちょい?も良し。
なんだかんだで100人以上の方がこの作品に目を通して下さっていることには、照れもありますが感謝の一言に尽きます。
ありがとうございます!
第二章からはいよいよ、我らがヒーロー、ライオネル・エクターが格好いい姿を見せる……かも?
というわけで、下らない後書きをここまで読んで下さって申し訳ない気分ですが、これからもこのふざけたファンタジー世界に片足くらい浸かって頂けたら幸いです。
P,S
読んで下さった方に感謝を。
そしてこれから読んで下さる方にも感謝。
2013/11/23 uto-aono