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ライトニング・インフィニティ  作者: 蒼乃 鳥兎
廃退した都市と英傑の物語
7/12

選択と英傑

人生というのは選択の連続だ。

そんなことは当たり前だと、思考の範疇だと言えることだが、それを常に念頭にいれて生きている人間がどれだけいるのかと問われれば、意外と自分も含めていないような気がする。しかし、だ。僕は今、猛烈にその人生の選択というものに対して懸命に考えている。いや、考えせざる負えない状況に立たされている。

かといって、今までの経験と知識を持っている僕の人生なんてだいたい血生臭い選択ばかりで、今の状況に見合う経験も知識も持ち合わしてはいない。

それでもあえて類似した例を上げるとすれば、とある魔神と対峙した時だろう。

その魔神の名はカリマルラ・ストイシス。通称、童化魔神:どうけまじんと呼ばれ、魔神の中でも最年長であるが、その姿は幼女であり、しかもかなり可愛いかったのが印象的だった。


…………。


いやいや、さすがに十二歳未満の女の子を異性として見てはいないが、可愛かったのは事実だから仕方がないし、仕方がないから欲を言えば、身につけていた紫と黒で織り込まれた上品なドレスの丈があと五センチ短かったら嬉しいなと思ったぐらいだ。


…………。


まぁ、とにかくどうして僕がこのお人形さんみたいに超可愛い魔神の話を引き合いに出したのかと言うと、別に戦闘中に三回くらい白のレースで作られた幼女の姿では流石に際どいだろうと思わず言いたいくらいのパンティーが見えたとか、意外と胸部に膨らみがあったとか、そんな嬉し恥ずかしな思い出話をするためではない。

とにかく戦うことが出来なかったのだ。

正確に言えば戦うことを躊躇してしまったことだ。

何故躊躇したのかというと、理由は簡単で明確であり、盲点と言えば盲点ともとれるが僕の頭が正常ならこれは至極単純なものだ。

つまり、幼女に暴力なんて振るえない。ただそれだけのことだ。

だって一般常識とか以前に人としてそれは踏み越えてはいけないことだし、そんなことかなんて思っている人間は今すぐ神に懺悔するべきだ。

例えそれが魔神でもあの超絶可愛いカリマルラ・ストイシスに手を上げることなんて僕には出来ない。お尻は触ったけど叩くことは出来かったのだ。

そして、以上を踏まえて今の僕の状況に照らし合わせてみる。


「ぁ……ぅぅん。はぁ、はぁ、はぁあん!もっと!もっと激しく叩いてぇえ…………っ!!」


「こ……こうですか?」


「違うぅ、あん!はぁ……あん。もう少し上のほぅ……ん、ん、あっ!」


「ここですね?ここがいいんですね……っ!!」


「あ、ぁぁ…………だめっ、もうアタイ我慢できない!はぁ、はぁ、……っ!!はあぁぁぁ………………んっ」


ついに僕はやってしまった。

もう後には引けないくらいにライオネル・エクターとディアンヌ・グランツェは深く渦巻く互いの欲求に溺れてしまった。

勿論責任はとる。

そう、右手には金槌。左手には岩を砕くノミを持ち。頭には安全未満と書かれた鉄の兜を被り、黒のタンクトップと青い作業着を着て、僕は彼女が求める部位を激しく砕いていく。

もうどのくらい奥まで責めただろうか、正直僕の体も満身創痍でくたくただ。ああ、くたくただ。

ディアンヌ・グランツェのお願い事を聞いたことで、僕はくたくたのふらふらでバテバテだ。


ディアンヌ・グランツェのお願い事は鉱物を掘ること。

僕はただ、横で倒れこんで息を切らしている、ディアンヌ・グランツェの身体を隅々までさわり尽くしたいだけなのに、なんだこの仕打ちは。

お願い事を承諾してから早、四日。彼女に案内されるがままについてきたらこの有り様だ。

ひたすら、岩の山が連なる場所で鉱物を探し求めて堀続けた結果、手にはいったのは石ころばかりで最早お願いをした彼女が弱音を吐いている始末。


「もう無理!やめだやめっ。こんなことやってられるか~~~!!」


ぶん殴りたかった。いや、殴るよりもあの胸を力任せに揉みしだきたい。今の彼女も満身創痍で指一つ動かせない。しかし、それはできないのだ。できやしないのだ。だって、もう手を酷使しすぎて感覚がないのだ。

触りたいけど触れない。あの時と同じだ。

童化魔神の生足を見ながら戦っていた時と。

触りたいのに、触れないこの状況。


「な、生殺しじゃないかあぁぁぁぁ…………っ!!」








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