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プロローグ

はじめまして。初投稿となります。色々と読みづらい点があるかと思いますが、少しでもいい物が書けるようにしていきたいと思います。

魔法少女物らしくシリアスな部分も書きつつ、面白い物が書ければいいなぁと思っております(汗

 異変に気付いたのは、家まであと少しの場所まで歩いた所だった。

 部活でいつもより若干遅い時間になりはしたが、妙な空気の変化を感じていた。


(さっきまであんなにキレイな月が出てたのに・・・それにこんなに暗い雰囲気の道だったかなぁ?)


 毎日学園から歩いて帰る道だった。最初は怖いと感じる事もあったが、今では流行りの歌を口ずさみながら歩けるほど歩き慣れた道だった。


 「怖くない!怖くない!!家まであと少しよ早希!!」


 自分を鼓舞するように、少女…早希は家まであと少しの道を歩き始めた


(どうして!?何で着かないの?この角を曲がればすぐ家のはずなのに…)


 やがて早希は走り出した。だが、まるで出口のない迷路に迷いこんだかのように、早希の家にたどり着く事が出来なかった。


 「もう訳わかんないよ・・・」


 「オジョウサン。オコマリデスカ?」


 月は雲に隠れたまま、吸い込まれそうな闇の中からの突然の呼び掛けだった。

 

 「!?誰?誰かいるのっ?」


 異常な状況の中で、謎の声は早希を安堵ではなく更に不安にさせた。

 そして何よりその謎の声は、早希の心を、否、人の心を不安にさせる獣の唸り声のような響きを帯びていた。


 「オジョウサン。オジョウサン。オコマリデスカオコマリデスカオコマリデス?カッカカカカ」


 目の前に現れたのは、くまのぬいぐるみだった。しかしその姿は愛くるしいものではなく、口にあたる部分は大きく裂け、所々縫い合わせたような大きな傷、縫い目からは綿ではなく、蛇のように蠢く何かが覗いていた。


 「ひぃっっ!!」


 咄嗟の出来事に体は動かず、短い悲鳴をあげる事しか早希には出来なかった。


「オコマリデスカ?オコマリデスネ?オナカスイタ?スイタネ?タマシイデスネ?イタダキマスヨ?ケケケケケ」


 目の前の存在が自分をどうするのか解らないが、その結果命を落とす事は理解してしまった。

 

 (あぁ・・・私、死ぬんだ・・・)


 決して逃げられないと悟った『死』が迫る中、早希はただ呆然と立ち尽くしていた。

 ぬいぐるみが近づき、早希にとって死刑宣告といえる最悪な言葉を発した。


 「イイイィィ…イタダキマース」


 その時だった。

 ぬいぐるみの腕が突如切り飛んだ。

 

 「ギギギktmtkdtq」


 ぬいぐるみから苦悶の声のような音が発せられる。


 「フゥ~間一髪だったね。」


 「まだ呪鬼の反応が強い。油断しないで。」


 まるで最初から決まっていたかのように、今まで闇に包まれていた筈の夜道が、スポットライトの如く月明かりが、突然現れた影を照らした。

 早希はこの光景を生涯忘れないであろうと思った。

 右手に黒、左手に白の西洋の騎士が持つ剣のような物を持ち立つ少女と、足下には黒い毛並みの猫に見える動物。

 腰まで伸びた美しい黒髪。スカートから伸びたスラリとした足。多少のあどけなさを残しつつ、完璧なまでに整った顔立ち。


 (あぁ…天使さまの遣いみたい……)

 

 そして早希はゆっく眼をとじた。


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