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九十一話 「彼らにとって見れば悲願のような物だったんですよ。結界に体当たりするのが」

 湖の周囲に張り巡らされた結界は、かなり強力な物であった。

 何十体もの上位精霊が協力して作り上げたそれは、まさに鉄壁の防御といっていいだろう。

 外部からの干渉は勿論、内部の物も外に漏らさない、素晴らしい強度を誇っていた。

 これだけの物であるならば、アグニー達が湖に近づいたところで、影響は出ないだろう。

 アグニーというのは、魔法的影響にとにかく弱い生き物なのだ。

 殆ど耐性が無いといってもいい。

 そんな彼らにとって、現在の湖の水は、どんな影響が出るか分からない劇薬のような物なのである。

 万が一にも、接触させてはいけないものなのだ。

 それだけに、アグニー達が湖にむかっていると聞いた精霊達の慌てようは、凄まじい物だった。

 湖に居た全ての精霊達が大慌てで結界の点検に走り回り、文字通り上へ下へと飛び回る。

 世界中探しても、上位精霊がこれだけ必死に働いている姿を見れるのは、ここだけだろう。

 何とか結界の点検を終えた彼等に、次の連絡が入った。

 アグニー達が、そろそろ目視できる距離に近づいてきているというのだ。

 事前の話し合いで、精霊達はアグニー達に姿を見せないことになっていた。

 アグニーというのは、とにかく臆病な種族だ。

 敵意や殺気に恐ろしく敏感で、警戒心がとても強い。

 もし上位精霊なんてものを見かけたら、驚いて逃げ出してしまうだろう。

 アグニー達には、逃げる時に周囲の物を全て捨てて逃げる習性がある。

 もし今アグニー達が逃げ出すようなことになったら、赤鞘への奉納の品は全て放置されることになるだろう。

 アグニー達が上位精霊たちに驚いたせいで、赤鞘が心の底から楽しみにしていた奉納の品が、届けられなくなってしまうのである。

 そんな事になったら、どうなってしまうのか。

 精霊達には恐ろしすぎて想像すらできなかった。

 何体かが無理に想像しようとして、記憶が飛んだり、気絶したほどである。

 なので、アグニー接近の報せを聞いた上位精霊達は、凄まじい勢いで浮島へと急いだ。

 浮島は内部に隠れる事が出来るので、物理的な目隠しになる。

 それだけではなく、魔石の塊であるという特性上、探知魔法をかく乱する役割も果たしていた。

 逃げ込んでしまえば、それだけで目くらましになるというわけだ。

 一応、彼等は個々に自分達の姿を消す術も持っているのだが、相手は気配に敏いアグニー族である。

 念には念を入れるべきだろう。

 湖のあちこちに散らばっていた精霊達の、最後の一体が浮島に滑り込んだのは、丁度アグニー達が奉納の品を湖のほとりに置いたのと、ほぼ同時であった。


「いててて……」

 最後に浮島に滑り込んだ闇の精霊が、したたかに打ち付けた眼球を撫でながら呟いた。

 この精霊の外見は、巨大な眼球に三対の黒い皮膜の付いた翼が付いている、という物である。

 なので、眼球を打った、というのは、体のどこかをぶつけた、という意味なのだ。

 そんな闇の精霊の姿を見て、露骨に痛そうな顔をしている精霊が居た。

 戦乙女の姿をした、光の精霊だ。

「本当にどこを打っても痛そうな体だな」

「そうかね? ずっとこの体だからよく分からないんだが、まあ、眼球は人体急所だからね」

 気安そうに話している闇の精霊と光の精霊だが、本来は相対する属性としていがみ合っているのが普通だった。

 こうやって当たり前のように話す事すら、ありえないことなのだ。

 こんな光景が見られるのは、「見直された土地」ぐらいだろう。

「まあ、それよりも今はアグニー達のことだよ」

 何とか間に合った事にほっとする間もなく、精霊達はアグニー達へと注目を移した。

 ワラワラと結界の前に集まるアグニー達を見る精霊達の表情には、強い緊張の色が見て取れる。

 本来であれば、上位精霊達がアグニー達に口頭で注意してしまうのが一番安心できるところだろう。

 アグニー達を脅かさないように近づくか、それこそ土彦辺りから説明してしまえばよいのだ。

 だが、それは出来なかった。

 アグニー達への説明は、赤鞘が自ら行うと、明言していたからである。

 赤鞘は土地に関する事は、最終的に全て自分に責任がある、と、考えていた。

 だから、湖が使えないことに関する説明も、自分がすべきだと思っていたのである。

 「海原と中原」の常識では、ありえない発想だろう。

 実に、赤鞘らしいものだ。

 赤鞘の性分は、土彦は良く心得ていたし、ここの所ずっと力の扱いの指導を受けていた精霊達も、よく分かっていた。

 だからこそ、精霊達は自分達で説明はしないことにしていたのだ。

 そして、危険が無いように、結界だけを設置したのである。

「まあ、結界が張ってあるとわかれば、アグニー達もすぐに赤鞘様の所に向かうだろう」

「通れないのであれば、留まる意味も無いからな」

 緊張はしていたものの、精霊達はある程度落ち着きを取り戻していた。

 何度もチェックを繰り返し、何重にも掛けた結界は、そうそう抜けられるものではない。

 通れないと分かれば、アグニー達も諦めるだろう。

 そんな風に、精霊達は考えていた。

 だが。

 その考えは、アグニー達相手には全く通用しなかったのである。

「んん? 何かあの老人の様子がおかしいぞ」

 呟いたのは、火の精霊だった。

 その言葉に反応した精霊達の注目が、一斉にアグニー族の老人、長老へと集まる。

 ぺたぺたと結界を触っている長老の顔は、とても緊張しているように見えた。

 その様子を見ていた精霊達の間にも、謎の緊張が走る。

 長老は何かを確かめ終えると、後ろを振り返った。

 そして、何かを叫ぶ。

 すると、アグニー達が歓喜に沸き始めた。

「な、なんだっ! 何を叫んだんだ!」

「風のっ! 分かるかっ!」

「待て! 音を拾ってみる!」

 突然のアグニー達の行動に、精霊達は大いに慌てた。

 流石に距離が離れていたため長老が何を言ったのか聞き取れ無かったのだが、そこは上位精霊の集団だ。

 風の精霊が、音の波を拾ってすぐにそれを突き止めた。

「結界じゃー、と、言っていたようだが」

「結界? 結界で喜んでるのか?」

「そんな馬鹿な……」

 困惑する精霊達をよそに、アグニー達は湖へ向かって、正確には結界に向かって走り始める。

 笑顔や泣き顔など、その表情は様々だ。

 だが、アグニー達が喜びに湧いているというのは、精霊達にも一目でわかった。

 もっとも、だからこそ余計に混乱するわけだが。

「なんだっ! どうなってる?!」

「結界から力が漏れてるのか!」

「そんなはずはっ! ヒビも綻びも一切ないんだぞ!」

「だが、実際こうやってっ!」

「み、見ろ! 何か始まったぞっ!」

 慌てふためく精霊達が見守る中、アグニー達はついにそれを始めたのだ。

 そう、結界へのタックルである。

 ひたすらに肩から体当たりを繰り返すもの。

 騎馬戦の騎馬のような物を作って突撃していくもの。

 喜びに咽び泣きながらも、タックルをやめないもの。

 繰り広げられるのは、十人十色のタックル模様だ。

「土彦様にっ! 土彦様に連絡をっ!」

「何が起きているか、とにかく突き止めるんだ!」

 最早悲鳴にも似た精霊達の叫びが、浮島の中で響き渡った。




「あっはっはっは。あー、いや、なんていえばいいんでしょう。特に気にしなくても大丈夫ですよ。ええ」

 半分悲鳴のような上位精霊達からの通信に、土彦は引きつった笑顔でそう応えた。

 勿論そんな土彦の説明で、精霊達が納得できるはずもない。

 マッドアイを通して伝えられてくる浮島内の映像と音声は、ある種修羅場じみた物になっている。

 ちなみに。

 湖の結界は、湖の底から地下に掛けては張られていなかった。

 そちら方向に力が逃げたところで、アグニー達には影響が無いからである。

 なので、そこを通して、通信は送られていた。

 事、地中地面の下に関しては、土彦にとっては庭のような物なのだ。

「ですが土彦様っ! 結界にぶつかりすぎると、怪我をしたりするかもしれません!」

「何か結界そのものがアグニーの感覚をおかしくしているのではっ!」

「まあ、確かにある意味それに近いかもしれませんが……ああ、いえいえ、本当に大丈夫ですよ」

 若干遠い目をしつつも、土彦は何とか上位精霊達をなだめようと頭を悩ませる。

 土彦としても、精霊達の慌てる気持ちは分からないでもない。

 アグニー達は土地神赤鞘にとって、大切な住民達だ。

 神の大切な物を傷つけるというのは、「海原と中原」の常識で言えばまずもってありえないことである。

 アグニー達に万が一の事があったら一大事と、精霊達は気が気ではないのだろう。

 だが、アグニー達と何度も直接接している土彦にとって見れば、彼らが結界に凄まじい反応を示すのは、不思議なことでもなんでもないのだ。

「ずっとタックルしたいと言っていましたからね。彼らにとって見れば悲願のような物だったんですよ。結界に体当たりするのが」

「はぁ? はぁ……」

 なんとも納得の行っていないような返答が帰ってくるが、まあ、無理からぬことだろう。

 アグニー達の行動を身近に見ていなければ、まず「結界にタックルしたい」という欲求があるなど、考えもしないはずだ。

 実際間近でそういった欲求があることを見聞きしてきた土彦でさえ驚いているのだから、精霊達の驚きは並大抵の物ではないはずである。

「とにかく、結界自体はアグニーさん達の体当たりぐらいではびくともしないでしょうから。とりあえず落ち着いて、あきるのを待ちましょう」

 そう告げると、土彦は通信を一旦終了した。

 大きくため息を付き、後を振り返る。

 そこにいるのは、モニタでアグニー達の様子を見ている、ガルティック傭兵団の面々だ。

 アグニー達がタックルしている様子を眺めながら、思い思いのリアクションを繰り広げていた。

「あっはっはっは! なんだあれ! すんげぇー可愛い! なんだあれ!」

「どーなってんだありゃ! ぶふっ! はははは! だめだっ! ツボ、つぼにはいったっ!」

 まず、大半が笑いこけていた。

 可愛らしい外見のアグニー達が嬉々として懸命に結界に体当たりする姿は、確かにほほえましくはある。

「どうなってるんだ、あれは。ネズミの仲間が壁を齧るような物なのか?」

「体がかゆいとか生理的なものではなさそうだが……いや、結界の反発が神経に何か影響を及ぼしているのか?」

 次に多いのは、真剣にアグニー達のタックルについて考察するものだった。

 ドクターのほかにも魔法分野に強い団員が何人か居るらしく、あれやこれやと議論を繰り広げている。

 残りの数人は、ただただ呆然と画面を見つめていた。

 普通これが一番多いはずだと思うのだが、そこは傭兵団。

 変わり者が多いのだろう。

 その、呆然と画面を見つめていた中の一人、セルゲイ・ガルティックが、土彦のほうへと歩いてきた。

 何事かと不思議そうな表情をする土彦に、セルゲイは至極真面目そうな顔を向ける。

「なぁ、土彦さんよぉ。アグニーってのなぁ、あんな感じなのか?」

「あー、まぁー、えーっと。そうですね。大体あんな感じです」

「はぁー。なんか面白れー種族だなぁ」

 しみじみと噛み締めるようにそういわれ、土彦はごまかすように笑うのだった。




 アグニー達を眺めているのは、「見直された土地」の関係者だけではなかった。

 一柱の神が、少し離れた上空から彼らを見守っていたのである。

 その神は大きな眼鏡に、半ズボンとワイシャツという、変わった恰好をしていた。

 胸には、「ゴッドソング」とカタカナで書かれた名札をつけている。

 身長は小さいものの、その胸は驚くほど大きく、いわゆる「ロリ巨乳」というジャンルに分けられるような体格をしていた。

 彼女の名は、歌声の神「カリエネス」という。

 母神がこの世界から消えてしばらくの間は休業していたのだが、ここ最近精力的に動き始めた神の一人だ。

「ずーんたーか、ずんたったー、ずーんたーかずんったったー」

 カリエネスはアグニー達を眺めながら、実に楽しそうにリズムを取っていた。

 空中に胡坐をかきながら、自身の膝を両手でぺちぺちと叩いている。

 その横に、突然光の玉のような物が現れた。

「およ?」

 不思議そうに首を傾げるカリエネスをよそに、光の玉はどんどんと光量を上げていく。

 そして、目もくらむような光を一瞬放ち、消えてしまう。

 後に残ったのは、赤髪の最高神、アンバレンスであった。

「おう、あんちゃん! 元気かぁーい?」

「ぼちぼち。っつーか何してんのこんなトコで」

 元気に手を上げて挨拶するカリエネスに、アンバレンスはひらひらと手を振って応える。

 カリエネスの横の空間に腕と足を組んで漂いながら、その視線の先を見ようと目を細めた。

「んあ? アグニー族? 奉納見物か」

「そっだよぉー。最近仕事詰めだったからさぁー! アグニーちゃんたちの歌声きこーとおもってぇーん!」

 楽しそうにそういいながら、カリエネスはぺちぺちとリズミカルに膝を叩いた。

 カリエネスが司っているのは、歌声だ。

 楽器による演奏ではなく、人が声で作り出した物を司っているのである。

 彼女は人が歌を歌っているところに、強い影響力を持っていた。

 例えば賛美歌の響く教会や、コンサートホールなどである。

 そういった場所で歌声が響いているその間、カリエネスは世界に大きく干渉することが出来るのだ。

 及ぼすことが出来る影響は、歌声の素晴らしさや、歌の内容の完成度が強く関わっていた。

 より素晴らしい歌で、より素晴らしい歌声であればあるほど、カリエネスは世界に強く影響を及ぼせるのだ。

「アッチコッチまわって歌ってる人探してさぁーあー? こにゃー! って感じで力の流れなおすじゃぁーあん? もうくったくただよぉー」

 心底疲れたといったような表情をしながら、カリエネスはわざとらしくため息を付く。

 カリエネスはここ数ヶ月、歌声のある場所を転々としていた。

 少しでも歌声のある場所を見つけては、その場所の力の流れを直して回っていたのである。

 素晴らしい歌声がある場所でのカリエネスの力は、実にすばらしい物だった。

 歌が終わるか終わらないかのうちにその場所を落ち着けてしまう、その影響力の強さは、現在この世界の神々の中で上位に位置する物である。

 もっともそれは、この世界の多くの神々と同じく一時的に落ち着ける、というものであった。

 安定させるという一時においては、赤鞘のほうに軍配が上がる。

 とはいえ、赤鞘の場合は安定させるまでに時間がかかりすぎるし、範囲も限られていた。

 一概にどちらがすごい、とは、いえないのだ。

「まあ、実際助かったわ。他の連中が仕事してないところ結構安定してきたし」

「えっへっへーい。新しい世界に連れてってもらえなかった神様で、けっこー役にたつっしょ?」

「お前そりゃ……歌声とかそういう類は、価値観の問題であってだな」

 カリエネスの言葉に、アンバレンスは顔をしかめる。

 母神が作る新しい世界にカリエネスが連れて行かれなかったのは、歌声を司っていたからであった。

 歌声などの素晴らしさというのは、価値観によって大きく異なるのだ。

 新しい世界に、旧い世界の価値観は要らない。

 だから、カリエネスはこの世界に残されたのである。

「わーかってるわかってるぅ! だいじょうぶだよ、もう立ち直ったからぁー!」

 けらけらと笑いながら、カリエネスはアンバレンスの肩を叩いた。

 ここ数十年は落ち込んでいたカリエネスだったが、既にすっかり元気を取り戻している。

 今ではアンバレンスや水底之大神と同じく、「海原と中原」を支える大切な存在として復活していた。

 アンバレンスは元気そうに笑うカリエネスを見て、僅かにほっとした様子で微笑んだ。

「おー。そっか。まあ、引き続き頼むわぁ」

「むぁっかせてむぁっかせて! っと、その前に! アグニーちゃん達の歌聞きに来たんだけどねぇん!」

「アグニーの歌ぁ?」

「そっそ! 知らない? アグニーのうたごえってねぇ、ウルトラ級なのよん? きっと赤鞘ちゃんに奉納する時、歌うとおもうんだぁー! 超たのしみじゃね? じゃね?」

 実は、アグニー族はその見た目だけではなく、声も素晴らしい種族だったのだ。

 声が素晴らしければ、勿論その歌声も素晴らしいものであった。

 なにせ、歌声を司る神が認めるほどである。

 アンバレンスは意外そうな表情を作ると、感心したように声を上げた。

「マジか。そうなんだ」

「見直された土地に入ってからは、歌ってる余裕なかったもんねぇー。今回はゆっくり、大合唱たのしめそうだにゃー。うーん、それにしても……」

 カリエネスは眼鏡のふちを掴むと、ぐっと顔を前に突き出した。

 細かい物を見るようにして目を細めると、ぐえへへ、と、緩みきったいやらしい笑い声をもらす。

「アグニーちゃん達ってロリショタでエロイよねぇー! なんかこう、服装もキテるしっ! ろりしょたぁ! ろりしょたぁ!」

「お前それ、赤鞘さんの前で言うなよ」

 頭痛を抑えるように眉間を押さえながら、アンバレンスは深いため息を付いた。

 ド突き回してやりたいところだったが、ぐっと我慢する。

 よく働いてくれているので、このぐらいは勘弁しようと考えたのだ。

「あ、そだそだっ! あとで赤鞘さんとこよろっかにゃ! 一度会ってみたかったシィ! あんにぃもいくでそ?」

「んん? ああ、そのつもりだけど。奉納が終わった後でな」

「だねぇー! いやぁ、たのっしみだにゃーん。赤鞘さん今、そうとうテンパってるよう?」

 そういいながら、カリエネスは目を凝らすような仕草をして見せた。

 視線の先にあるのは、八つの樹木。

 「見直された土地」の中央に居る、赤鞘だ。

「まあ、そうだろうなぁ」

 アンバレンスは苦笑いのような表情を作り、気の抜けた笑い声をもらした。

 確かに赤鞘のことだから、今頃エライ騒ぎになっているだろう。

 エルトヴァエルが居るから何とかはするだろうが、そのエルトヴァエルに掛かっている負担はなかなかのものだろうと予想できた。

「なんか。スイーツでも差し入れするかなぁー」

「マジでぇー? やきいもとか!?」

「どんだけだよ」

「あっはっはっはっは! じょーくじょーく!」

 けたけたと笑うカリエネスを見て、アンバレンスも苦笑混じりながら、楽しそうに笑うのであった。

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