プロローグ・変態の朝は幼女と共に
一人の少年が歩道橋の上に居て下を眺めている。
彼は思い悩んでるわけでもありがちな飛び降り自殺をしようとしているわけでもない。
学校からの選択課題として仕事をこなしているのだが彼がこの仕事を引き受けたのにはもうひとつの理由があった。
それは……
「はぁ……やっぱ小学生は可愛いなぁ……」
彼はロリコンだった。
どうしようもないぐらいに幼い少女が好きだった。
彼がそのまま小学生を見ていると突然爆音が響き渡った。
彼がその音のほうに目を向けると暴走族が乗るようなハーレーにヘルメットも被らずに長い銀髪をなびかせながら走る少女とそれと同速度で追いかけるツインテールの少女。
そのまま首だけ右に向けると十数人のspを引き連れて優雅に道を歩く少年を見つける。
その後でスライムみたいな物ややけに小さい少女といまどき珍しくおかっぱの少女などが通ったのを確認した後
「本日も問題なし……っと」
そうして歩き出そうとした時
「きゃぁああああ!!」
歩道橋の下で叫びが聞こえ少年が素早く振り返ると尻尾が二股に分かれている巨大な猫にさっきの小学生が襲われていた。
「猫又かー……朝の運動にはちょっと物足りないかなー?」
少年はそのまま歩道橋から飛び降りる。
そして一言呟く。
「トリックオアトリート!」
その瞬間少年の体が宙に浮き猫又を見据え言う。
「さぁ、少年少女を苛める奴にはお仕置きだ」
少年が手を振りかざすと蝋燭のような錐が猫又に向かって飛んでいき猫又を串刺しにする。
「……………………ッ!?」
猫又は声にならない叫びを上げそのまま霧散した。
それを見届けてから少年は通学路に降り立ち立ち去ろうとすると小学生達が彼を呼び止めた。
「あの……お兄ちゃんありがとう」
「んーかわいいなぁ……これが僕の仕事だから気にしなくていいよ」
「皆も大人になったらこういうことをするようになると思うからそれまでは小学校や中学校がんばってね」
小学生の頭を撫でながら言うと弾けんばかりの笑顔で小学生達は言う。
『うん! お兄ちゃん!!』
「じゃぁ僕は行くからまたね~」
少年はそう言って上を見る。
するとビルから黒い覆面のようなマスクにマフラーと忍者風の制服を着た少年が飛び降りてきた。
そのまま音もなく目の前に着地した少年を見て
「ごめんね、烈人君。待たせちゃったみたいだね」
それに忍者風の少年は看板を取り出し
『大丈夫です、では学校に行きましょうか』
「うん、そうだね」
「あ、お兄ちゃんの名前は?!」
学校に向かおうとしたとき小学生の一人が聞いてきたので少年は振り返り言った。
「遊離だよ、芦屋 遊離」
そのまま手を振って別れ今日もまた彼の学校生活が始まった。