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97 12月25日 昼 お誕生日おめでとう。

「お待たせ」ドアが開いて遥が部屋の中に戻ってくる。夏はぼんやりと天井を見つめている。

「どうかしたの?」遥が言う。

「ううん。なんでもない」スリープ機能が解除されたロボットのようにはっとした夏が笑顔で答える。

 二人はまだ白い水着姿のままだ。水着の上からお揃いの真っ白なパーカーを羽織っている。

 二人は白い水着姿のままで、お風呂場で一緒にシャワーを浴びた。

 それから二人は水着から着替えをする。夏はいつもの青色のジャージと紺色の制服。遥は白いセーターと白い半ズボンの姿になる。

 着替えのあとで遥はすぐに昼食の準備をするためにキッチンに移動した。夏は部屋の中に戻ると、また一人で椅子に座って真っ白な天井をじっと見つめた。青色の空が見たいと夏は思った。


 12月25日 昼 お誕生日おめでとう。


 昼食はサンドイッチだった。キッチンのテーブルの上には、大きなお皿に二人分のサンドイッチがピラミッドのような形で盛り付けられている。一つ摘んで食べてみると味は相変わらずとても美味しかった。

 挟んである具材はハムとレタスと卵。そのどれもがおそらく長期保存用に直前まで冷凍されていたとは思えないほど、新鮮だった。夏は遥に許可をもらっていたので、冷蔵庫の扉を開けて中を見てみると、その中身は夏の実家の冷蔵庫の中身と、ほとんど変わりがなかった。(夏はよく実家で夜中に盗み食いをしていた)

 加工食品が多めだけど、種類も豊富だし、中には高級食材もちらほらあった。普段は食事なんて気にしないのに、変なところにお金をかけている。ともかく遥はここで遊んでいるわけではなくて、きちんと仕事をして、ちゃんと収入を得ているようだ。今更だけど、自分でお金を稼ぐなんて遥はえらいな、と夏は思う。

 トマトを一つ取って、流しで洗ってその場でかじってみる。うん。とても美味しい。鮮度も高い。どうやら食品の冷凍技術なども、ドームの外側の世界よりもドームの内側にある研究所のほうが数歩分、進歩しているようだ。もしかしたら遥の作っている食事が美味しいのは遥の料理の腕ではなくて、綺麗な水や新鮮な食材の力なのかもしれない。

 トマトを食べて夏は流しで手を洗う。

 サンドイッチの盛り付けられたお皿からもう一つ、四角い長方形のサンドイッチを手に取って、それを一口頬張りながら夏が遥の部屋に戻ると、そこに遥はいなかった。照子に薬を飲ませに行っているのだ。それがつまり照子のお昼ごはんだ。

 照子は薬で栄養を摂取していて普通の食事をしないから、ここにある食材はすべて遥が食べるために保存されているものだろう。豊富で新鮮な食べ物を揃えてるところを見ると、遥は意外と健康とかに気をつけているのかもしれない。

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