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君が好きだよ。ずっと大好き。私の世界が終わっても、あなたが好き。……大好き。  作者: 雨世界
12月24日 夕方 久しぶり。元気にしてた?
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 夏は駅の中にあるベンチに座る。静かな時間。ここにきてから変な体験の連続でとても疲れてしまった。

 見たことのない巨大なガラスの壁と永遠に広がる緑色の大地。偽物の森とその森の中にある遊園地のアトラクションのような駅と古風な二両編成の列車。それは地下を走り、地下には宇宙のような果てのない暗闇が広がっていて、その先には一見すると宇宙船のようなたまご型の研究所があった。真っ白な少女に白いクジラ。一年かけて探し出した子供みたいなの天才科学者。

 そんな言葉を連ねていくと、まるで自分がいつの間にか地球ではないどこか違う惑星に到着してしまったみたいに思えてくる。

 でも、もしそうだとしたら、私はいつのまに違う惑星に迷い込んでしまったんだろう? 夏はその謎を探ってみる。それはたまご型の研究所にたどり着いたときだろうか? それとも森の中で駅と列車を発見したとき? 世界の果てにある緑色の草原の中に足を踏み入れたときだろうか? それとも、もっと前でこの極秘研究所の場所を私が強引な方法を使って突き止めたときだろうか? 

 ……ううん。違う。そうじゃない。

 もっと過去だ。もっともっと、ずっと過去の話だ。たぶんそれは、私と遥があのクリスマスイブのパーティーの会場で初めて出会ったとき。

 あの会場で幼い木戸遥の姿を見つけたとき。遥を見つけて、私が強引に遥に話しかけたとき。私は遥の姿に虜になって、私は遥の目見て握手をして、それから……、そう、名前だ。

 私は遥の名前を聞いたんだ。私は遥の名前を聞いて、遥が私の中に入ってきて、それからずっと私の内側には遥がいて、私の心の中は遥でいっぱいになったんだ。

 私の乗る小さな宇宙船は、とても思い星の重力に飲み込まれ、引きつけられて、もがいて、あがいて、否定して、それでもどうにもならなくて、瀬戸夏は木戸遥という名前の惑星に墜落したんだ。

 するともうその星から脱出することはもうできなくなって、どうすることもできないから、ずっとこの星で暮らしていこうって決めたんだ。それ以外の選択肢はなかったんだ。

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