君が好きだよ。ずっと大好き。私の世界が終わっても、あなたが好き。……大好き。

　突然、お嬢様の通う名門の学園からいなくなって、自分の前から姿を消した友達、十四歳の天才美少女、木戸遥のあとを追って、はるばる世界の果てにある巨大なドーム状の研究施設までやってきた、わがままな十五歳の可憐なお嬢様、瀬戸夏は、そこで遥と再会して、そして一人の人工進化研究によって生み出された実験体である白い女の子と人工知能で作られた不思議な白いクジラと出会った。

　夏は照子の存在に恐怖を感じる。
　遥は照子（あるいは悪魔）に魅入られるようにして、この世界の果てにあるドームの中に、まるで生まれることを拒否している、割れないたまごの中にいるみたい、閉じこもっているのだと思った。

　夏は遥を照子から救うことを心に決める。
　そのための道具もちゃんとあった。

　夏は遥との再会の時間を幸せに思いながら、照子と対峙をする。
　大好きな遥を取り戻すために。

　二人で一緒にちゃんと大人になるために。
　……、二人で一緒に、これからも、一緒に生きていくために。