表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/34

25話 この技なんだっけ?

 テイマー同士の戦い。

 勝つのは、強い魔物と契約している者。


 とは限らない。


 魔物にも相性がある。

 テイマーの実力も必要だ。


 もし最強種のドラゴンが仲間にいたとしても、言うことを聞いてくれないとただの置物…いや、無差別に攻撃しそうだな。


 もしくは裏切る可能性がある。

 一番いいのは相性が良くて、互いに良好な関係であること。


 相性がいいからと、一方的に契約するのは最悪だ。

 魔物にも意思がある。


 無理に言うことを聞かせようとすれば、それなりの魔力が必要になる。


 その点でいうとスライムは知能も意思もないに等しい。

 どんな命令も嫌な顔せず実行する。


 ただ自分で考えて行動することが出来ないので、曖昧な命令だと予想外の行動をする場合もある。


 俺にとってスライムは、都合のいい道具だ。

 カップが勝手行動を取っていた際は、契約の解除も考えた。


 勝手に魔力を吸われる。

 あれほど恐怖を感じたのは、死にかけた時以来だ。


 カップの行動次第で、俺は一生寝たままになる。


 俺がカップに恐怖していることを感じ取ったのか、このままでは捨てられると悟ったのか、注意したことは守るし、媚びを売るようになった。


 今ではカップとの契約解除は考えられない。

 俺を理解して、全力で答えてくれる彼女を捨てることはない。


 ホックの場合は、ホックを無効化できる方法が見つかれば、解除するかもしれない。

 彼女は強力すぎる。


 何も考えず野放しにすると、世界が彼女の牧場になる。


 容易に想像できて怖すぎる。

 ホックとの契約解除なんて、考えない方がいい。


 フラージュは便利な杖だ。

 手放すことはない。


 さて、問題は目の前にいるテイマーの女性である。


 女性の場合は、裏切られる可能性を考えずに契約していたのだろう。


 スライムの襲撃があっても本気で抵抗せず、殺されないとわかれば抵抗を弱めて捕まる者までいた。


 つまり、女性に協力的な契約相手は、あの4人以外いない。


「あー! もう! スライムばっかり鬱陶しい!」

 俺はフラージュを使ってスライムに命令するだけ。


 女性は突撃してくるスライムを、魔法を使って弾き飛ばす。

 いつまで魔力が続くのか。


「根競べと行きましょうか」

「これだけは、使いたくなかったのに!」


 女性が魔力を集めて杖を地面に突き刺すと、魔法陣が展開される。

 魔法陣から頭に蛇を何匹も生やした、目隠しの女性が現れた。


「メデゥーサ!? 災害級の魔物と契約してるのかよ」

「一度だけ、力を借りることが出来る代わりに、10年分の寿命を持ってかれる。一度きりの切り札よ! メデゥーサ! あの男を石化させなさい!」


「むり」

「…は?」


「だって、あれスライムだもん」

 女性の命令は、男を石化させろというもの。


 目の前にいるのが、フラージュによって造られた俺そっくりのスライムだった。


「はぁぁああぁあ!??」

「じゃ、そういうことで。今回は手間賃の寿命1年分で勘弁してあげるわ。ありがたく思ってよね~」


 連続して命令はできないようで、メデゥーサは魔法陣に帰っていく。

 呼び出すだけでも1年分取られるのか。


 流石は災害級の魔物。

 理不尽だわ。


「あんた! スライムだったの!?」

「ぼく、わるいスライムじゃないよ」


「馬鹿にしてるわね!?」

「そりゃするだろ。魔力で目を強化するのは、戦いの基本だろ?」


「そう、だけど! スライムがスライムを操るなんて、誰も思わないわよ!」

「それは普通のことだろ。俺、スライムの王様。王様、命令できる。わかった?」


 女性の反応が面白くてもっと煽ってしまう。

 女性を指さすとスライムが突撃を再開する。


「ね、ねぇ! 貴方も人型の魔物ってことよね!? 私と契約しなさい!」


 ホックのおかげで人間と契約できることを知っていた。

 だからフラージュに頼んで身代わりを造ってもらった。


「強制的な契約って、集中力使うよな。ついでに魔力も使う。その対象が急にいなくなったら、あんたはどんな顔するかな?」

 俺そっくりのスライムの足元に魔法陣が展開されたと同時に、スライムの体は弾ける。


「ほぇ!?」

「間抜けな顔を見れないのが残念だよ」


 身体強化で背後から一気に近づいて、女性の腰に手を回せば体を持ち上げて、


「どっこいせッ!」

「ごふッ」


 後頭部を地面に叩きつけた。

 どこからかゴングの音が鳴る、わけもなく。


「死んでないよな?」

 頭から血を流している様子もない。


 白眼なので気絶していると思う。

 念のためにフラージュを呼び寄せて、女性を小突くことで魔力は吸収しておく。


「お見事でした!」

ジル(気配遮断)のおかげだ。予想以上にうまくいった。ありがとう」


「お役に立てて何よりです! それで、この女はどうしますか?」

「時空間に仕舞う。他の黒ローブを一緒にね」


「あの人数を入れられるのですか!? 流石です!」

「時空間に人を入れるのも、慣れたものだよ」


「奴隷商になれば大儲けできそうですね!」

「その場合は捕まるね。一応、違法だから」


「バレなきゃ問題ないです!」

「うん。君はバレて捕まったんだからね? そういうこと言わないようにしようか」


「そうでした!」

 こんなバカな子だったけ?


「まあいいや。聖女様の救出も終わったみたいだし、法国の騎士団が到着するまで」

「宝探しですね! お手伝いします!」


「あ、うん。よろしく」

「希少品は、見なかったことにしますね!」


「あ、はい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ