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23話 エルフの隠れ里

 幻術で隠されていたエルフの隠れ里は、世界樹の影響なのか異常に育った木が利用されていた。

 木の中は空洞で店になっていたり、太い枝の間に家が建てられている。


「まさかジュナがこっちに来るとはね。何年ぶりだいい?」

 隠れ里を案内してくれているのが、ジュナの祖母だ。


 見た目は40代くらいに見える。

 これで300歳は超えているんだよな。


「実はね、仕事でこっちに来たの。この近くでおかしなことって起きてない?」

「仕事ね。黒いフードを被った連中が、世界樹様に近づこうとしている、とかかい?」


 邪教と思われる連中が近くいるらしい。

 予定通りにカップ分裂隊を捜索に出してみるか。


「その連中はどこにいるの!? 実は、その連中に聖女様が誘拐された可能性があるの」

「なんだって? 騎士団や神官の連中は何をしてるんだい。わかった。外に詳しい連中を呼んでやる。ほかに手伝えることがあれば何でもいいな」


「少しいいですか?」

「あんたは確か、ジュナを助けてくれたっていう、おっぱい魔人」

「お、お祖母ちゃん! ラパ様だよ!」


 隠れ里に入る前、エルフたちに囲まれた。

 ジュナが警備隊の隊長と話をしてくれたが、信じてもらえず。


 俺達も中に入れるようにするため、ジュナが先行してジュナの祖母と話してくるということになった。


 ジュナが戻ってくるまでエルフたちに囲まれていたが、ジュナの祖母らしき人が見えると意外に偉い人らしく、警備隊の隊長が頭を下げた。


 どんな説明をしたのかわからないが、

 間違っていないな。


「そうです。それで、その連中がどの辺にいるのか、ある程度で大丈夫なので教えてもらえますか?」

「そうさね。向こうに集まっていることが多いよ。それを知ってどうするんだい?」


「人海戦術ですよ」

 時空間から大量のスライムを出現させる。


 盗賊団と同じ手で見つけて囲う。

 違うのは森だということ。


 カップの分裂隊も色を変えることくらいは出来る。

 森の色と同じ緑色に変われば、見つけることが難しくなる。


 ジュナの祖母に教えてもらった方向に分裂隊が転がっていく。

 今回は捜索が目的なので3部隊だ。


 計60匹が一斉に移動するのを見送って、カップに知らせが来るのを待つだけ。


「…あれすべてと、契約しているのかい?」

「契約はしていません。こいつの能力で操っているだけです。こいつの分裂体だから出来ることですね」


 ジルの能力だと嘘の情報を教える。

 純血派が暴れている今、隠れ里の連中を信用することは出来ない。


「なるほどね。それでその娘を買ったのかい」

「そんなところですね。スライムが森の中で黒いフードを見つけたらこいつに連絡が来ますので」


「そこまで知能を持たせることも出来るとはね。ダークエルフにテイマーの才能があるとは知らなかったよ」

 食いついた。


 ここでダークエルフを蔑むようなら、ますます信用できなくなるな。


「ダークエルフも、元はエルフでしょう?」

「…それはそうだね。スライムから報告が来るまで休める場所まで案内するよ」


「ありがとうございます」

 ジュナが混血なこともあって、純血派と繋がりはないのかもしれない。


 それでも警戒は必要だよな。

 だってあの人、魔力溢れすぎなんだよ。


 ジュナの祖母に案内された空き家で休むこととなった。

 ジュナの祖母は用事があると言って、ここにいない。


「ラパ様、私の膝が空いていますよ」

「主様、私の膝でお休みください。こちら方が景色もよろしいかと」


 ジルは自分の命がかかっているので、媚びを売ることに必死だ。

 胸を主張してくる。


「別にいいよ。俺にはカップがいるし」

 最近はカップをジュナの護衛にしているので、夜しか相手をできなかった。


 スライムから報告が来たとしても、すぐに動かず万全な状態で邪教の連中を相手にする方がいい。


 カップに機嫌を損ねないためにも、今はカップを枕にする。

 カップは喜んで枕になってくれた。


 まるで勝ち誇ったように一度立ち止まって2人を見たのは、気のせいだ。


「ラパ様、やはりお婆様は純血派と関わっている可能性は低いです。この里もそうです。私を見ても副隊長のような視線は向けられていません」

「念のためだよ。純血派と関わってなくても、邪教と関わっている可能性もある。聖女様が攫われたっていうのに、ここの連中に協力を求めないほど、法国は馬鹿なのか?」


「法国にもいろいろあるのです。世界樹の近くで長年過ごすエルフは異常なほど魔力が高いのは、ラパ様も見てわかったと思います。ですが、この地から離れると魔力は急に衰えるのです。それでも数カ月なら大量の魔力を使用することが出来る。ラパ様ならわかりますよね?」


「戦争に使われる。まあ、帝国と争っていた時に使われてなことを考えると、馬鹿は言い過ぎか。聖女の救出に協力してもらうのもダメなのか?」

「法国の首都がどのような状況かわかりませんし、まだ聖女様を攫われた気づいていない可能性も」


「平和ボケだね」

 突然の乱入者。ジュナの祖母。


「あぁ、横になってな。スライムの操作は、魔力を使うだろ?」

 なんか、全部バレてる気がする。


「しかし邪教ね。聖女様を生贄に世界樹様の魔力を使って邪神の降臨が目的だったとはね」

 あ、全部聞かれて理解されてる。


 流石300歳以上。

 生きてきた時間が違うわ。


「お祖母ちゃん、盗み聞き?」

「聞かれたくなかったら、魔法の1つでも使うんだね。魔力で強化された婆の耳に入らないように」


 ジルの方を見れば首を横に振る。

 ジルの気配探知外から聞いていたらしい。


 もしくは気配遮断で近づいてきてた?

 この魔力をどうやって消すんだよ。


 こえー。


「おっぱい魔人、いや、オメガ信者殿。聖女様の救出、何卒お願い申し上げます」

 まるで王様かと、偉そうに横になっている俺に、床に座ったジュナの祖母は頭を下げた。


 なんか、構図が娘の粗相を謝る親みたいだな。


「頭を上げてください。依頼を達成するのは冒険者として当たり前のことなので、聖女様は必ず救います。生きていれば、何ですけどね」

「聖女様は生きていると思われます。いくらい聖女と言っても生きていなければただのエルフ。生贄にふさわしいとは思えません」


 なかなか頭を上げてくれない。

 仕方ないので起き上がって、ジュナの祖母に近づく。


「わかりました。必ず助けるので、頭を上げてください。20倍も年が離れている人から頭を下げられるほど、僕は偉くありませんよ」

「いえ、もう1つお願いがあるのです」


「ダンジョン内にある、オメガ様の研究所ですか?」

「はい。スライムキングが大量発生しています。予想ですがエンペラ―が出現したのか、研究所の封印を解いて出てきたのか」


 スライムは種類が多いことで有名だ。

 キングは知能が低いスライムを操り、エンペラ―はすべてのスライムを操ると言われている。


 エンペラ―の研究所が、世界樹のダンジョンにあるようだ。

 また未知の上位種が現れそうだな。


 フラージュが生まれた元になる研究所とかありそうだな。

 エンペラ―が存在するのにドールの上位種を創る研究が行われていたんだから。

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