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14話 開拓村の大掃除

 娯楽施設に到着すると露出度の高い服を着た女性たちが分裂隊に捕まっていた。

 案内人の男を見ると助けを訴えてくる。


「あ、あんた! 幹部だろ? 助けておくれよ!」

「無理だ。お頭が、捕まった。俺達は、負けたんだよ」


「はぁ!? そ、そこの坊や! 私達はこいつらに脅されてただけでッ!」

「そういうのは到着予定の騎士団に説明してください。僕に言われてもどうすることもできません」


「か、解放してくれたら、どんなことでもッ!」

「…中古品に興味ないので」


 胸を見せつけてくるが、大きさはそこそこだがハリのない駄肉に興味はない。


「このガキ!」

「捕まえた女性や荷物などもありますよね? どこですか?」

 女を無視して案内を再開させる。


「こちらです」

「無視すんな!」

 カップのおっぱいに目が肥えてきたのか、スライムに捕まっている裸の女性を見るが、目を引く者はいない。


 あれなら俺が育てた2人の山のほうがいいと思うくらいだ。

 倉庫が見えてくると、近くに見張りだったのだろう男達も捕まっているのが見えた。


「この中に、抵抗する女どもを監禁しています。売れそうな女はあちらの倉庫に。奪った価値のありそうな物はあっちに保管しています」

「開拓地は国から管理官が定期的に来ると思いますが、よくここまで建築できましたね」


「は、はい。仲間に建築業を営んでいた連中がいましたので。建物は村人の協力もあって隠してきました」

「そうですか。捕まえた人の数は?」


「わ、わかりません。こちらの倉庫は使えないと判断した者を入れておくだけの倉庫で、たまに仲間が、その、遊びに来ることはありますが」

「遊びに、ねぇ。あちらは売る女性でしたか」


「は、はい。見た目のいい女を集めて、たまに、味見を」

「なるほど、見せしめも兼ねていたってところですか」


 本当に救いようがない。

 殺してしまってもいいが、ここまで大規模な盗賊団になると裏で繋がってる貴族や商人がいるだろうな。


 後は騎士団に任せるとしよう。

 面倒ごとに巻き込まれたくない。


 もう巻き込まれているとか、考えないようにしよう。


「わかりました。それではおやすみなさい」

「は? あっ」


 腹にフラージュを押し付けて魔力切れで気絶させる。

 気絶した男を時空間に捕えて、騎士団が来るまでどうしようか考える。


「まずは、見つけやすいように焚き火でもしておくか。開拓村がアジトだってことは依頼人が伝えているだろうし」

 大きな商会なら確実に持ち歩いている魔道具がある。


 その魔道具は使用者の魔力や魔石を消費することで発動することができる。

 本来は2つの水晶玉で1つの魔道具だが、1つを割ってネックレスや指輪などに加工すると割っていない水晶玉(本体)に声を文字として届けることができる。


 本体から分体に文字を届けることはできないが、緊急時に便利な道具だ。

 分体同士で文字を届け合う研究もされているが、まだ成功していない。


 水晶玉を割らずにそのまま使用すると、文字ではなく話をすることが可能で、水晶玉に顔も映るようだ。

 2つで1つの道具であるが、別の水晶玉と繋げることも可能で、そのため各ギルドも緊急連絡用に所持している。


 分体は本体と離れすぎると、別の本体に文字を届けることがある。

 その場合でも水晶玉を持っているのは大きな商会やギルドなどで、助けは確実に来るだろう。


 テイマーなら契約した魔物と遠く離れていても、意識の共有をすることで話すことが可能だが、人間同士はまだ難しいそうだ。


「やってみたらできそうだよな。相手の魔力を覚えて、時空間魔法の応用で距離関係なく、考えたことを伝える。ギルマスの魔力なら覚えてるし…いや、どれだけ魔力が必要化もわからないし、やめとこ」


 焚火の煙が空に昇っていくのを確認して、騎士団を待とうかと思ったが、倉庫に捕まっている人達を助けることにする。


「ひぃ!」

 倉庫の扉を開ければ悪臭が鼻を刺激する。

 開けた音に反応して悲鳴も聞こえてきた。


「盗賊団は壊滅しました。助けに来た者です。安心してください」

「ほ、ほんとう?」


 中に盗賊が潜んでいる可能性もあったが、襲われることはなかった。

 分裂隊の襲撃は、全員で対応したと思われる。


 途中まで遊んでいたのだろうか、裸の男の子が縛られて転がされていた。

 悲鳴を上げたのは、盗賊が帰ってきたと思ったからだろう。


「はい。もう安心してください。他に捕まっている人は、奥ですか?」

「う、うん。ともだちが、かえってこなかったひとも…うぅ…」


 泣き出してしまった男の子に時空間から毛布を取り出して、体を隠してあげる。


「少し休んでいてください。みんな、助けますから」

「う、うぅ…」


 頷く男の子を置いて奥に進んでいくと、悪臭が酷くなる。

 死体もあるのだろう。


 光魔法で周囲を明るくすると、檻に閉じ込められた人達を見つけた。


「た、たすけてくれ…」

「くい…もの、ください」

「み、みずを」


 ほとんど放置されていたのだろう。

 スラムでもここまで痩せた人は見ないと思う。


 檻の鍵を魔法で破壊して動ける人たちと協力して、倉庫を出ることにした。

 食料庫の場所は聞いていたので、動ける人たちを連れて運び出すことにする。


「お兄さん、ありがとう」


 助け出した人達から次々にお礼を言われる。

 配られた食料を泣いて食べていた。


「実はまだ助ける人たちがいます。売られる予定だった女性達です」

「俺の娘もそこにいるはずだ!」

「私の娘もよ!」

「ぼくのおねえちゃんも」


「動けそうな人はついてきてもらえますか?」

「「もちろんだ!」」


 動ける人たちと一緒に女性達が捕まっている倉庫に向かう。

 先程の倉庫と違い、開けると甘い香りが漂ってくる。


「少し離れていてください。催淫効果のある薬が焚かれています。扉を開けておいてもらえますか? 中から風魔法で吹き飛ばします」

「お、おう! 任せとけ!」


 助けた人たちを外で待機させて、布で口を押さえて奥に進む。

 奥に進むにつれて女性の声が聞こえ始める。


「これは、男達に見せられないな」

 檻の中で自慰行為を行っている女性たちは、男が来るのを待っていた。


「は、はやく! ほしい…ほしいの!」

「指じゃ足りない! 太いの! 太いのちょうだい!」


「売る前に調教も行っていたか」

 匂いの元凶を発見して破壊する。


 倉庫内に残る匂いを風魔法を使って吹き飛ばした。

 女性たちが落ち着く時間が必要で、檻は明けずに外に向かう。


「ど、どうだった?」

「何人かは後遺症が残るかもしれません。男性陣は近づかないほうがいいでしょう。女性の方で、動けそうな人を呼んできてもらえませんか? それと食事や水、着るものなども運んでもらえると」


「わ、わかった…くそがッ!」

 動ける女性陣を連れて倉庫に戻る。


 男達も入りたそうにいていたが、諦めてもらう。

 外に飛ばした煙を嗅いで催淫効果に当てられた男達もいるので、強化分体に見張りを頼む。


 見た目が秀でているわけではないが、動けない女性もいる。

 娯楽施設に行けば捕まっている女達がいる。


「男達が暴走しそうになったら止めてくれ。麻痺毒の使用も許可する」


 強化分体に命令して、倉庫内に入る。

 一緒に入った女性達に捕まっている女性の対応を任せて、落ち着いた頃に檻から出すことにした。


「あぁ…リノ! よかった…」

 彼女の娘が見つかって檻を挟んで再会を喜んでいる。

 檻から出してあげたいが、名前を呼ばれても返事をする様子がない。


「今は、食事と水をあげて、落ち着くまで様子を見ましょう。檻から出たら服を着せられるように、準備をお願いします」

 連れてきた女性陣に落ち着いて行動してもらうために指示を出す。


 女性陣の声掛けや食料を与えることで、催淫効果に侵されていた女性達が正常に戻ってきた。

 頃合いを見て、檻の鍵を破壊する。


「あ、ありがとう…ございます…」

「思い出したくもないでしょうが、何かされたか覚えていますか?」


 女性陣に服を着せられて、話せそうな女性に声をかける。

 盗賊団が売ろうとしただけあって、立派なものを持っているが視線は向け、るが!

 凝視はしない!


「は、はい…」

 女性の話によると、体を触られることはあっても性行為は行われなかったそうだ。


「大人しく、言うことを聞けば…俺たちの仲間にして、やると言われました…」

 何人かは仲間になりたいと言って連れて行かれたそうだ。


 断った女性達は薬漬けにして売ると、男が話していたらしい。


「それと、奥に…地下があるみたいで。お頭と呼ばれていた男が、楽しそうに出入りしていました」

 うん。

 厄介ごとの気配がする。


 女性達を保護した後に、元騎士が行来していたと聞いた場所を捜索すると床に取手のついた箇所を発見した。

 カップに頼んで隙間から入って調べてもらう。


 鍵や罠のような仕掛けは仕掛けられていないことがわかった。

 取手を掴んで持ち上げると階段が現れる。


 階段に仕掛けがあるかもしれないので慎重に降りていくと、罠もなく扉を発見した。

 地下室の扉も鍵や仕掛けもなく、簡単に開く。


「また、来たのですか?」

 扉を開けた音で元騎士が来たと思ったのか、カーテンの奥から声がする。


 地下室は催淫効果のある煙は焚かれていない。

 普通に話が出来そうなので返事をすることにした。


「元騎士は捕まえました」

「…そうですか。殺したのですか?」


 死んでいてほしくないような反応だな。


「殺していませんよ。捕まえたと言ったでしょう?」

「そう、でしたね。あなたは、わたくしを助けに来たのでしょうか?」


 安堵している?

 もしかして、あいつの仲間って可能性もあるのか?


「あの男に捕まっていたのなら、助けに来たと言えますね。あの男に協力していたというのなら、捕まえに来たことになります」


「なるほど。法国の者ではないのですね」

 あ、なんかわかった。

 この人、聖女候補じゃね?


「ただの冒険者ですよ」

「あの男を生きたまま捕らえることのできる、ただの冒険者ですか。最近の冒険者はお強いのですね」


「僕より強い冒険者はいっぱいいますからね。今回は、相性が良かったのです」

「そうですか。…ふぅ、わたくしを助けていただけますか?」


 法国に口封じとかされませんかね?

 放置、はもっとまずいしな。


「このカーテンを開けても?」

「は、はい。お見苦しいものを見せることになりますが、どうかご容赦ください」


「それでは、失礼します」


 カーテンを開けた先にあったものは、壁尻だった。


 幸いにもパンツを履いているので、大事な部分は隠されている。

 立派なお尻は男の玩具にされていたのか、手の形や吸い付いたと思われる跡がついていた。


「あ、あの。そんなに見ないで…」

 鏡越しでこちらの姿が見えるのか、壁越しから声が聞こえる。


 鏡を見ると女性の顔が見えた。


「す、すみません。立派な、安産型だったので」


「うぅ…こ、こちらに来てもらえますか?」

「あ、はい」


 少し触ってみたいと思うほど、立派なお尻を横目に女性の前に移動する。


 おっぱいに飽きは来ないが、お尻もいいかもしれない。


「この通り、手足どころか身体も縛られています。あの男は土魔法を得意としていました。それで、このような姿にされて…」

 胸は小さい。アンバランスだな。


「魔法の解除で解放できると思います。土が口や目に入らないよう閉じていてもらえますか?」

「他者の魔法を解除できるのですか?」


「術者が生きていますし、死後に強まった魔法でもありませんから、これくらいなら可能ですよ」


 最悪、分裂隊の体液を使って崩してもいいわけだし。

 下着が溶けるかもしれないけど。


「行きますよ?」

「はい!」


 女性が目を閉じたことを確認して魔法の解除を行なう。

 魔法の無効化は難しくない。


 魔法に使用した魔力量の大体2倍の魔力を消費することで、魔法の主導権がこちらに移る。

 壁が崩れるイメージで、彼女の体を開放する。


「おっと。大丈夫ですか?」

 壁が崩れたことで床に落ちそうになる女性を受け止める。


 やはり胸は小さいな。


「は、はい…。あ、手が、足が…身体が動く!」

 立ち上がった女性は俺よりも背が高かった。


 衣服が見当たらなかったので、下着姿の女性に身体を隠せるローブを渡す。


「良かったですね。そこまで動けるなら、上に助けた人たちがいます。手伝っていただけますか?」

「もちろんです! 怪我人などもおられますよね? わたくしは聖女候補でしたので回復魔法が得意です! お手伝いさせてください!」


「なるほと、あなたが犯されたという聖女候補でしたか」

「い、いえ! 神の加護によって純潔は守られています! お、お尻以外は綺麗なままです!」


「そ、そうですか。あの騎士、アナルマニアだったのか」

「あな? なんですか?」


「いえ、気にしないでください。それではいきましょう」


 予想以上に元気そうだが、地下の階段は暗いので安全のため手を繋ごうと手を差し出すことにした。


「は、はい…」

 さっきまでは空元気だったのか、小さな返事で手を握ってきた。

 怖いのか手が震えている。


「大丈夫ですよ。僕は、貴方を守りますから」

 危害を加えないという意味で、安心させるように声をかけた。


 お尻は立派なのだが、胸は小さいからな。

 触ろうとは思わない。


「あ、ありがとう、ございましゅ…」

 うん。なんか恋する乙女みたいな顔してるな。

 しらんけど。


 よし。変に付きまとわれないよう、後で釘刺しとくか。


 階段を上がったところで手を離そうとしたが、離れなかった。

 意外に力が強い。


「怖い」と言われると手を離すことができない。

 手を繋いだまま倉庫を出た。


「ここまでくれば大丈夫ですね」

「あ、はい…」


 手が離れたくらいで残念そうにされる。

 お尻は立派だが、胸がもっと立派だったらな。

 残念だ。


「怪我人のいる場所まで行きますね」

「わかりました! 回復魔法はお任せください!」


 聖女候補が使う回復魔法に興味が出た。

 神の加護を受けていることで光魔法や回復魔法の効果が高くなっていると聞いたことはある。


 代わりに隠蔽や闇に関連する魔法が使えないという話も聞いたことがある。


「ひどい…すぐに治しますね!」

 盗賊団が弄んだ(もてあそんだ)人達の傷を見て回復魔法を使用する女性を、後ろから観察する。


 聖女候補として優秀だったのか、全体に魔法を使用するのではなく、傷のひどい箇所を集中して回復させていく。


 魔力効率の良い、無駄のない働きに感心していると、女性がこちらを見る。


「あ、あの…後ろから見られると…その、お尻が…」

「お尻が?」


 俺のローブを羽織っているが、俺と背丈が違うのでしゃがむと立派なお尻が見えそうになっていた。


「うぅ~…な、なんでもないです!」

 女性の少し尖った耳の先が赤くなっていた。


 まさか、後ろから見られて興奮している?


「あ、僕は向こうの手伝いをしてきますので、ここはお任せしますね」

「あッ…んん、は、はい!」


 返事の前に、なんか色っぽいような、残念そうな声が聞こえた気がするけど、気にせずその場を離れた。


「あ、冒険者さん。男達は落ち着いたよ。女達はまだ男が近づくと求めちまうが、なんとか踏みとどまる程度まで落ち着いてきたよ」

 女性達を任せた初老の女性が報告してくれる。


「そうですか。見張りのスライムは回収しても良さそうですか?」

「いや、まだいてほしいね。男達が落ち着いてきたといっても、あの子達を見る目は飢えた獣さ。女が誘えばホイホイ近づいてくるだろうよ。あの子達が本心から誘っているかどうかなんて関係なく、ね」


「わかりました。なんか、抱き枕にされているようですが」


 強化分裂体の大きな体に抱きついている女性達を見る。


「冷たくて気持ちいいらしいよ。硬い檻に入れられていた反動かね。交代で抱きついているから、できればもう1匹いると助かるね」

「わかりました。3匹しかいないですが、あと2匹も置いていきます。女性達が抱きついたままのほうが、護りやすいでしょうからね」


「まだいたのかい。話の分かる冒険者さんで助かるよ。けど、その歳で女に興味ないのかい?」

「言いたいことはわかりますが、僕だけ相手をして貰うわけにもいきませんし。そんなことをすれば男性の皆さんが暴走しますよ」


「ホントにできた冒険者さんだよ。他の男どもに見習ってもらいたいね」

「それでは、ここはお任せしますね」


「任せときな。気が向いたらうちの娘と」

「結構です」

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