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プロローグ

 テイマーに必要なこと、それは魔力操作と魔物知識。

 そして国家試験に合格すること。

 誰もなりたがらない職業だ。


 テイマーになるくらいなら魔法使いになれ。

 とはよく言ったもので、魔物と契約できるほどの魔力操作があればある程度の魔法を使用することができる。

 魔法は使う種類によって魔力が少なくても発動できるし、時間が経てば魔力は回復する。

 しかし魔物と契約すれば魔力は回復するものの、魔物の強さによって定期的に魔力供給が必要になり、魔力の回復が追いつかずに魔力供給ができなくなれば契約は解除される。


 それを利用して、大昔に多量の人間が魔物と契約して意図的に魔力を切ることでモンスターパニックを起こした邪教があったらしく、テイマーとなるには国家試験が必要とされた。

 まあテイマーは誰でもなれるので、試験を受けずに魔物と契約する人間はそれなりにいる。

 おもに貴族様だ。


 元々魔力量が多く、平民より回復速度も早いので、スライム程度なら10匹程度は一生契約できる。

 三男や四男などにスライムと契約させて、ゴミ処理の仕事をさせることもあるようだ。

 ただ資格を持っていないので、他の貴族が治める街や王都には契約した魔物を連れて入ることはできない。

 ただスライムと契約しても連れて行かなければ入ることは可能だ。


 資格はテイマーが魔物を連れ歩くために必要なもので、俺からすればいつでもおっぱいが揉めるよう、試験の合格は必須である!

 しかし国家試験があるものの、合格したからと言って将来安泰となるわけでもなく、魔物を連れて歩けるだけで、周囲から視線を集めることは確実。


 テイマーになることを両親が許すはずもなく、5歳のときは応援してくれていたのが、歳を重ねるごとに諦めさせるようとする両親と12の時にケンカ別れしている。

 しかし10歳の頃から資金集めと魔物知識を得るため冒険者として活動していたので、スラム街でお世話になることもなく、一日も欠かさずに行った魔力操作で幸運にも貴族並みに多い魔力量を身につけて、15歳になった今!


「俺は試験に合格した!」

 国から冒険者ギルドを通して試験を受けてから一ヶ月ほど経ち、俺の手元に合格の証明としてテイマーカードが握られている。


 国家試験で得られる物なだけあり特殊なカードで、魔力供給をカードに行なうことで魔力を登録することができる。

 登録することで無くしたとしても、魔力を消費すれば手元に現れる。

 さらに契約した魔物の状態を表示してくれるし、俺の魔力量を確認することも可能で、1919と表示されていた。


 平民の平均が300から500くらい。貴族様が1500以上らしいので、そこそこ高いほうだと思う。

 噂では1万なんて貴族様もいるらしいが。


「これでスライムを捕まえて、いつでもどこでもおっぱい揉み放題か。10年、よく頑張ったよな。俺」


 今までの苦労を思い出しながら、無くしても問題ないが無くさないようカードを胸ポケットに入れ、ギルドで依頼も受けず、スライムと契約するため街を出る。


 世界で魔物が生まれる理由として考えられているのは、人々が魔法を使うことで魔力の燃えカスができてしまい、それが集まって生まれるとされている。

 略してマカ。


 動物型の魔物は元を辿ると動物の腹から生まれたらしく、今では魔物同士や動物、さらに人と交尾して孕ませ、魔物が生まれてくる。


 ダンジョンではマカやコアから発生する魔力が集まって魔物になると聞いた。

 そしてマカが集まって生まれる存在にスライムがいる。


 噂程度の話だが、極稀に大量の魔力を持った人が性行為もしていないのに腹が膨らみ、スライムを産んだ。

 生まれたスライムは人の形を取ることができ、言葉を話していたらしい。

 産んだのは男という話もある。


 そんなわけで、スライムは生まれる場所によって性質や色など様々で、俺が探しているスライムは綺麗な湖で生まれる透明に近いスライムだ。


 さらに生まれてすぐであれば調教しやすく、契約者の思った通りの色や形、温度まで調整可能である。

 と、スライム研究者の一人、伝説のテイマーオメガ様の本に書いてあった。


 というわけで、森の奥にある湖を歩きスライムを探すこと6時間。

 魔力操作で目に魔力を集めてマカを視認する。

 キラキラと光る粒が集まる場所を発見した。


 30分ほど観察していると光の粒は円を形作り、スライム誕生を目撃する。

 空中に現れた透明に近いスライムをキャッチして契約を始める。


 魔物は上下関係に準じる傾向があり、契約はどちらが上かわからせて従わせる。

 もしくは魔物が好むものを提供することで協力関係で契約することができる。


 今回は生まれてすぐのスライムが相手なので、一番始めに味わうものが好物となる。

 とはオメガ先生の本に書いてあったことだ。


 なので俺の魔力を与える。

 俺の魔力なしでは生きられない体にしてやるのだ。


 生まれたてのスライムは腕の中で崩れてしまいそうで、潰れてしまわないよう優しく抱きしめる。

 冷たくて気持ちがいい。


 契約の完了した証がスライムの中に紋様として刻まれた。

 透明でわかりにくかったが、紋様のある場所がスライムのコアだ。


 俺はスライム=おっぱいを手に入れた。

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