第19-2話 《消影の閃光》
インデアの、小規模爆発事件。
間近で見る分には相当な騒音と風圧がかかったと、その女性は語っている。
第19-2話
三月も、太陽も倒され、日暮はこのままではまずいと思いながら震えていたその時。
その場には、茜と三月の間の会話に振り向いた、黒髪の女性が向かっていた。
「あーあー、焦げ臭い。でも、これは影がやったことではないかな…魔法を使う影なんて会ったことがないし…」
女性は、太陽によって焼かれた場所を見て鼻をつまむ。
「しかし、なんでこう世の中物騒なのかね…二十年前じゃあるまいし…いや、もう国が二つ滅んでるあたり、二十年前よりひどいかな」
鉄屑の山を超え、ようやくその女性は日暮を視界に入れた。
(倒れているのは、2人…でも、魂の様子を見るに、死んでない。)
「タフだね〜」
こうなれば、彼女のやることは一つと、決まっている。
「あの影の消耗具合から見るに、始まってから3時間程度…かな。じゃああと6時間くらいかな。」
そう言って、彼女は右手と左手に、それぞれ武器を持った。
右手には、チャクラム。左手には、ジャマダハル。両方とも検索サイトで調べれば出てくる、インデアの武器である。その二つは、長い鉄糸線で繋がれている。
「ねえ、ちょっと!そこな旅人さん、ちょっとどいてくれないかな!?」
彼女は、交戦中の日暮に対して、そう叫んだ。日暮は、その人の顔を見る間もなく、ばっ、と、バックステップでそこから離れた。
「よしじゃあ、行くか。」
(と言っても、影の行動パターンは結局突進してパンチとかの物理メイン。捕獲は簡単!)
彼女は体をくるっと回す。その手は、両手でジャマダハルを、刃の方を自分に向けて持っていた。ハンマー投げの要領で、チャクラムを遠心力で持ち上げたのだ。
「せーのっ!」
彼女は、そう叫んでジャマダハルを投げた。鉄糸線を直径とするように、円状にヒュンヒュンと飛んでいき、そうしてその鉄糸線はぐるぐると影に巻き付いた。影が、身動きが取れなくなったのを見てから、彼女は日暮たちに駆け寄ろうとした、のだが、影は、ぶちぶちと鉄糸線を引きちぎった。
「えー…めんどくさ」
彼女は、落ち着いていた。この程度のこと、今まで何回もあったと、言わんばかりに。
そうして彼女は振り返って、叫んだ。
「《消影の閃光》」
途端に、世界は光に包まれた。




